07

「ここか…」


あの後、喜助に連れていかれた浦原商店でしばらく過ごすことになった。そして今朝、義骸と地図を渡された。何ですぐに義骸ができたのかだとかその他諸々、ジン太くん曰く浦原クオリティーだそうだ。


地図に記された場所に着けば、今俺が身に付けている服と同じ物を纏った人間達が建物の中へ入って行く。喜助によるとここは高校という、所謂霊術院のような所らしい。


「(職員室ってとこに行けばいいんだっけ…?)」


喜助に言われたことを思い出しながら、俺は近くを通った2人の少女に声をかけた。


「ありがとう、助かったよ。」
「どういたしまして!」
「気にしないで。」


職員室まで案内してくれた、にこにこと笑う栗色とクールな黒色。名はそれぞれ井上織姫、有沢竜貴というらしい。
手を振ってこの場を離れて行く2人に軽く手を挙げ、目の前の扉を開けた。


迎えてくれた越智という眼鏡をかけた女性に色々な説明を受けた後、彼女に連れられて「1-3」という部屋の前に来た。
話を適当に合わせていたが、どうやら俺は転校生という設定で今からここの生徒になるらしい。喜助には敬服するな。
呼んだら入れ、と扉の前に一人残され、越智先生は部屋の中へ入っていった。


「(参ったな…。)」


喜助のことだから何か考えがあるのだろうが、随分と厄介な所へ来てしまった。この狭い部屋の中に、なかなかの人間が数人揃っているようだ。


それはさておき、今はルキアだ。
越智先生の名前を呼ぶ声が聞こえ、中に入る。見渡せば様々な視線と交じり合い、一点で留まった。


「はい、自己紹介してー」
「琴吹雅です。よろしくお願いします。」


まさか、こんなに呆気なく見つかるとは。
目を大きく見開き驚きを隠せないといった彼女にくすりと小さく笑いが零れた。



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