02
「ルキアが、ですか。」
「あんた仲良かったわよね?」
ただの平隊員である俺にそれを知らせてくれたのは、何かと良くしてくれる松本副隊長だった。
副隊長の疑問にまあとだけ返し、数少ない友人の姿を思い浮かべる。
確か数ヶ月前に現世での任務が決まったと言っていた。すごく嬉しそうに、そしてすごく意気込んでいた。責任感の強い彼女が初めて任された単独での大きな仕事だ、放り出すはずもない。だとすれば、何か事件に巻き込まれた可能性が高い。
「…いや、まさかな。」
一瞬頭を過った男の姿を振り払う。
だが、もし。
「ちょっと雅、大丈夫?顔色悪いわよ?」
「大丈夫です、」
もしも、また。
「すいません、人生相談にいってきます。」
「ハ?」
俺の発言にキョトンとした松本副隊長の間抜けな声と「てめえまたサボりか!」という日番谷隊長の怒鳴り声を背に、俺は十番隊舎を後にした。