09

「…ルキア?」
「…こ、これには深い訳があるのだ。」


死神代行だと名乗る目の前のオレンジ頭、黒崎一護のことを含めルキアから今の状況の大まかな説明を受けた。
おそらく黒崎一護は理解していないようだが、死神が人間に力を渡すことは禁じられている。
つまり、ルキアは罪を犯したのだ。


「…どうすんの?」
「案ずるな、すぐに戻る。」


「(どうだかな…)」


俺は軽く痛みを訴え始めた頭を抑え、黒崎一護に向き直った。


「とりあえず、事情はわかった。改めて、ルキアの友人の琴吹雅です。よろしく。」


そう言って手を差し出すが、黒崎一護は相変わらず怪訝な表情を浮かべている。そして彼は俺に尋ねた。


「お前は敵か?」
「君がルキアの敵なのなら。」


俺の答えに瞠目した黒崎一護は笑って手をとった。


「黒崎一護、一護でいいぜ。よろしくな。」


その後、一護に友人たちを紹介してもらい、彼等の性格もあってか俺はすぐにクラスに馴染んでいった。
しかし、前の席に座る眼鏡の少年と言葉を交わすことはなかった。


「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -