ネタメモ | ナノ
■家に帰ると何故か武将が増えてました


※家に帰ると母が武将を拾ってましたのやつ。
※武将がきてトリップだって理解してギスギスしてたけどだんだん和解して仲良くなってきたところで母がしばらく家をあけた状態。
※どんどん仲良くなってきてるけど恋愛要素は皆無だし相変わらず伝説と若虎はペット
※武将たちの口調が謎







バイトを終えて帰宅する。今日はいつもより片付けがスムーズに進んだのでちょっとだけ時間が早い。晩御飯なにかなあと考えながら愛しのペットたちが待つ家に足を早めた。


「ただい……ま?」


玄関の扉を開いた瞬間に視界が一変した。突然のことに理解が追いつかずに数回瞬きをして落ち着いて周りを見渡す。


「小太郎くん?」


私は家に背を向けていた。おそらく目の前にペットたちを抱えて立っている小太郎くんの仕業だろう。


「びっくりした…どうしたの?」
「(散歩)」
「え、あ、うん、一緒にいく?」


コクリと頷いた彼からリードを受け取ってゴンにつけた。そういえば持っていた鞄がない。あの一瞬で部屋に置いてきてくれたのだろう。すごいな。


最初はそんなに散歩がしたかったのかだとか、違うコースを歩いてみたいのかだとか、不思議に思うものの気にしてはいなかったが、やはりおかしい。


「……小太郎くん、そろそろ帰ろう」


いつもより長い距離を歩いて、小太郎くんに声をかけた。彼はそれに頷くものの間があったし、確実に怪しい。散歩前の行動といい、家に私を入れたくないのだろうか。


その後、普通に帰宅して、普通を装おうとして逆に変な空気を醸し出すリビングで小十郎さんと佐助さんがつくってくれた晩御飯を食べる。
小太郎くんは私の背後にいて、佐助さんはいつも以上に胡散臭い笑顔を貼り付けている。幸村くんはそわそわと忙しなく、それを政宗さんがしばいて元親さんを加えてコソコソ三人で話し込んでいた。小十郎さんも少し落ち着きがないし、元就さんは持っている本のページが進んでいない。何事。


「…あの、」
「何ー?おかわり?」
「…や、何かあったんですか?」
「んー?何も?そんなことよりさー」


にこーっと私の前に座った佐助さんが話しかけてくる。いや、バレバレだよ?聞くなってこと?喧嘩とかしたのかな。


「あ、そういえば今度…」


私が言葉を発しようとした瞬間、ガッシャアアァアン!と二階から物凄い音がした。そして、



「家康ぅぅぅぅッッ」


その時のリビングの何とも言えない空気よ。


「………幸村くん」
「はっはい!」
「説明してくれる?」


幸村くんを指名したのは彼が1番嘘をつけないタイプだから。びくりと肩を揺らしどもっている幸村くんに一歩ずつ近寄る。後ろから小十郎さんと佐助さんと元就さんの盛大なため息が聞こえた。


「ねえ幸村くん」
「…はい」
「今二階から何か聞こえたんだけど、私だけかな?」
「そ、それはっその…」


怒ってないから、ねえ、教えて?とにこりと笑うと幸村くんとそのさらに左右にいた政宗さんと元親さんまでヒッ!と顔を青くした。


「おい!何をする風魔!離せ!」
「三成落ち着け!話し合おう!」
「うるさい!私に斬滅されろおおお!」


叫び声や物が落ちる音、人が走り回る音など、とにかくうるさい。小太郎くんがきっと止めに行ってくれたのだろう。それでもさあ。


「幻聴じゃないみたい」
「そ、そうでございまするな」
「私の思い違いじゃなければ戦国武将な気がするんだけど」
「…そうでございまするな」
「いつからいたの?」
「…………二刻ほど前から」


申し訳御座いませぬ!と半泣きな幸村くん。私は盛大にため息を吐いた。








(なんで隠せると思ったの?小十郎さんと佐助さんと元就さんまで)
(いや、………すまねえ)
(あはー、突然すぎてさ、今思うと名前ちゃんたちの順応力すごいね)
(一応確認するけどどちら様?)
(石田三成と大谷吉継と徳川家康ぞ)
(なんで隠せると思ったの!そりゃ喧嘩になるよ!)






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