■家に帰ると母が武将をry3
いくつか質問してわかったこの男のこと。
下の人たちと同じ時代からやってきて、原因はわからない。状況についてはここが未来ということしかわかっていない。おそらく下の人たちも同じ。うちの母親もよくわかっていないらしく、未来ってことしか説明していないらしい。その説明については隠れて聞いていたので、下の人たちはこの男がここにいることを知らないらしい。
「………」
うちの母親はこんな状況で住まわせるとか言い出したのか。馬鹿なのか。
はあああ、と大きく深いため息を吐き、痛み始めた頭を押さえた。椅子に座っている私の足の上にいる○が心配そうに鳴いた。ゴンとみーちゃんも足に擦り寄っている。男もしゃがんで私の顔を覗き込んでいる。…びっくりした最後なんか混ざってた。首かしげるな頭痛い原因にあんたも含まれてんだよ。
「ゴン、ごめんね。今日は散歩できなさそう」
頭を撫でてやるとゴンは大丈夫だよと言うように私の手を舐めた。
「あー…とりあえず、貴方は下いって状況を理解してください」
「(ふるふる)」
「いや、状況理解しないと」
「(こくり)」
「じゃあ下いって…」
「(ふるふる)」
なんなのこの人めんどくせええええ
「…」
「…あ?う、し?」
「(ふるふる)」
「…あ、あ、た?な、?」
だからわからんてば。
男はしばらく考えるように黙り込むと、私の手をとった。
「え」
「…」
「…あ、な、か?あ、あなた?あ、なるほどそれで手ね」
「(こくり)」
「で、私が?…い?…い」
「(こくり)」
「………私がいい?」
「(こくり)」
「………」
「………」
え、何が?
「えーと…じゃあ、いっしょに下いきましょう?」
「(こくり)」
あーやっとここまで辿り着いた。長かった。私は○を抱え直して立ち上がる。じゃれてたゴンとみーちゃんにも声をかけ、部屋を出た。よし、ちゃんとついてきてる。
そういえばこの人の名前を聞いていない。教えてもらっても口パクでわかんないだろうけど。下にいる人たちが有名な武将だったしこの人も有名な人なのかな。赤髪の時点で日本人か疑うけどそれはあの人たちにも言える。茶髪はまだしも銀にオレンジて。1番派手なのが忍者て。忍べよ。
「…もしかして貴方も忍者だったり、なんて」
「(こくり)」
「えっ……じゃあ服部半蔵か風魔小太郎か霧隠才蔵とか?」
そう聞けば男は頷き指を二本立てた。つまり。
「風魔小太郎ですか?」
「(こくり)」
「…北条氏政だったり?」
「(こくり)」
まじかい。