花宮お誕生日おめでとう | ナノ


真は黙っていればすっごくいい男だ。

容姿は申し分ないし、テストは常に一位だし、頭の回転は速いし、声だって本当かっこいい。

それなのにあいつは全くモテない。かわいそうなくらいモテない。それどころか数多の人に「あの人苦手」と陰で囁かれる始末。

最大の理由は口と性格の悪さ。これに尽きる。

ただ私としてはそこんとこ最悪で本当に良かったなーと心から思う。そうじゃなきゃ今ごろ右も左もライバルだらけでとんでもないことになっていたに違いない。

競争率の低さが味方してこんなに早く恋人になれたんじゃないだろうか。

そんなことを考えていたら居てもたってもいられなくなり、部室で今日の授業ノートをまとめ直していた真に擦り寄った。ほらこの腕とか肩とか胸板とか、いい匂いとかたまらない。

彼はノートから目を離さずにされるがままだったけれど、首筋にぎゅうと抱きつけばようやく背中に片手が回された。

「真さいこう」

「なんだ急に」

「真が嫌なやつで良かったなって」

「ケンカ売ってんのか」

「まさかまさか。褒め言葉だよ。真が壊滅的にモテないからアプローチしやすかったっていう思い出話」

「やっぱりケンカ売ってるだろ」

ふふふと笑えばそれにつられて真もふはっと笑って、ノートの角でわき腹をつつかれ身を捩じらせた。くすぐったい。ああ幸せ。

「…おいそこのバカップル。彼女のいない人間の気持ちを考えたことはあるか」

背後から山崎と思しき呆れたような恨めしいような声。そうだそうだと抗議しているのは原たちか。

「「考えたこと?ない」」と二人揃って答えれば盛大な舌打ちが返された。

「花宮、ちょっとノート見せてくれ」

「ほらよ。まだ使うんだから手短にな」

「うるせえ。どうせお前らいちゃいちゃしてんだろ」

僻み癖のある男はモテねぇぞ、なんて嫌味たっぷりに言いながら空いた両手で私を抱きしめる真は、やっぱり性格が悪くてさいこうだ。







学校で猫かぶりしてないver.のまこたんです。まこたんお誕生日おめでとう!ゲスでマロな貴方が大好きです。

今更感半端ないですが黒フェスヤバ過ぎですね。霧崎第一クラスタの聖書です。もだもだが止まらない所や突っ込み入れたい所がたくさんですが、霧崎っ子のプロフィールがわかった事以上に12番君の名前が判明した事に感動しました。松本樹君ですって!!しかも人気投票で「霧崎第一の12番」として10票も集まったとか...。
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