噛み付いて来た少年の行為を受け入れる

こうして私は彼氏と言う隠れ蓑を バスケ部はマネージャーを手に入れた。
“彼女でマネージャー”の設定は疑われる事無く周囲に浸透する。噂話、特に恋愛話が大好きな女子たちの力によって。(これが女子力。え?違う?)私達の関係は上辺だけを削り取った内容で伝播される。成績優秀。眉目秀麗。才色兼備カップルと誇張された内容で。反吐が出る。花宮と私は互いに同族と気付き合っていた為深く関わろうとしないから都合が良かった。愛情も糞も無い関係に居心地の良さを感じていたのは私だけでは無い。と思う、多分。
「まーこちゃん。」
「その呼び方辞めろよ。」
「愛してる。」
私にお似合いな真の本性を。
「無視かよ。」
私を受け入れる器の小ささを。
「愛してる。」
「知ってる。」
「まこちゃんは?愛してる?」
自分の事を。
「ああ、愛してる。」
花宮がどう捉えて答えたか知らない。知る必要も無い。中身の無い無意味な愛の言葉。上辺だけの綺麗な言葉を求め始めたのは私だ。いつからかは忘れたが。
もう黙れと言う様に唇に噛み付いて来た少年の行為を受け入れ そっと目を閉じる。


[ 8/25 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -