覗き込んだ。そして始まる物語。

『マネージャー連れて来い。一週間以内にな』

スタートは少年の一言。



「つっても〜花宮が認めるようなマネージャーってどんなヤツよ?」
パシれるヤツ?言う事聞くヤツ?頭の回転早いヤツ?
オレはガムを膨らましては割るを繰り返しながら呟く。
花宮が決めた一週間以内と言う期限は今日で、他のメンバーが連れて来た人は全て却下されていた。

一年の中で女子一位の成績を修める女子。(因みに花宮は男子一位、と言うか学年一位) 手芸部やクッキング部の中でも才能の突出した女子。
女子がいけないのかと思い、男子を連れて来ても駄目。お手上げ状態である。入部して数ヶ月。今や監督より力を持ちつつある花宮に文句を言う訳にもいかず、オレはもう一度ガムを膨らませた。
ガムが限界を向かえ割れそうになった時、
「はぁー だる...」

美しい声に似合わない言葉が耳に届き息を飲む。伸びきったガムが割られる事無くしぼみ、口の周りにへばりつく。声の本人に興味が湧き、舌でガムを口の中に回収し、その声が聞こえてきたであろう教室の扉を開け、覗き込んだ。そして始まる物語。





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