頼むぞ、マネージャーさん

「ゴールデンウィークに他校と合同合宿がある。一校から六人まで参加可能で その内一人はマネージャーか手伝いする者。開催目的は将来有望なバスケ選手の育成、日本高校バスケ発展の為だとかその他ごちゃごちゃ書いてんな。省略。それにうちも選ばれた。が参加するのは千夜だけにする。」
花宮がプリントを読み上げて顔を上げた。
「どーしてさー?」
原がガムを口にしまう。
「将来有望なバスケ選手の育成だとか言ってるけど 目的は互いの現時点の情報だからに決まってんだろ。後、キセキの世代と無冠の五将の情報もな。泉真館でなくうちが選ばれたのもそれだろ。んな所に態々出向く価値ねぇよ。手の内晒すもんだ。だが相手が情報提供してくれるのに断るのはもったいねーから千夜に任せる。」
「なーる。」
「断る理由は進学校だから勉強が忙しいとでも言っておけ。」
「それを言ったら森下先輩は受験生だぞ?矛盾してないか。」
「私は推薦で殆んど大学決まってるから大丈夫。後、先輩と敬語付けなくて良いよ。古橋。」
古橋は途中入部のせいか二年レギュラーの中で唯一先輩扱いしてくれる。でも 何だかむず痒いので辞めて欲しい。
「ならどう呼べば...。」
「苗字を呼び捨て「花宮の彼女〜。」
「...原?それ辞めてって言ってんでしょ?」
「あ、そだった。マネージャー(仮)だっけ?」
「もう仮じゃない。」
「花宮の彼女兼マネージャー?」
「長い。」
原の茶化しをスルー出来るスキルください。
「...千夜さん。」
「ん?」
「千夜さんは?」
古橋の真っ黒な瞳が私を見る。
「え 千夜さん?」
「そう。」
「名前?」
「呼びやすいから。」
意外な提案に少し戸惑うが、
「別に良いよ。」
と頷く。
「オレも千夜って呼ぶ!いいよね、千夜。」
ちょっ背後から急に抱き着くな。
「原は一々千夜に引っ付き過ぎなんだよ!!」
「うっせーザキー 悔しーなら自分もやれよームッツリ。」
「ふーん...やっていいなら、千夜こっちおいで。」
「瀬戸!急に千夜引っ張んない「やれって言った。」
古橋に便乗して名前呼びしてくる残り三人。お前ら私との体格差を考えてくれ。もみくちゃにされてとても苦しい。
「...おい...ミーティング中だ。」
花宮の冷えた声に原の体がビクッと跳ねたのが伝わった。散らばる部員達から抜け出し、花宮の隣に立つ。
「合同合宿は千夜だけの参加って事でいいな?以上。解散。」
おう、すっごく不機嫌声。

二人残った体育館で
「助けてくれてありがとう。」
と言えば
「何がだ?」
と返される。
「あいつらにもまれてた時助けてくれたじゃん。」
少し驚いた表情をし、そこから溜息を着かれた。
「はぁ...まぁいい。情報収集頼むぞ、マネージャーさん。」


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