ズレた事を考えていた

そうだ。私から始めた愛を確認する行為。
実際は愛していないくせに 立派に“彼氏”を演じる花宮は凄いと思う。こちらはもう演じる事を辞めてしまったから。見捨てられるのが怖くて、花宮と体を重ねた後 罪滅ぼしのつもりで正式マネージャーになると申し出た。
「そんな事もあったね。」
私の住むマンションが見えてきた。朝日は完全に登りきっている。

「おい。」

無用心に振り返った事を後悔する。過去を思い出して周囲への警戒を怠ったのは私の不注意だ。
「霧崎第一バスケ部のマネージャーだな?」
男が一人こちらを睨んで立っていた。見覚えあるけど誰だかわからない。頭の隅から捻り出そうとして諦めた。どうせいつもの事だ。ここ最近うちと対戦して負けた奴等が殴り込みに来るのが増えた。
ただいつもと違うのは背後から急に殴られ 倒れてしまった事と複数の足音。薄れてく意識の中 女子一人の為にここまで人数使うか? とズレた事を考えていた。


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