貴方のその顔がとても好き

公式戦。無冠の五将の二つ名を持つ花宮は一年生ながらもレギュラーを任されている。対戦相手は今年出来たばかりの誠凛バスケ部。急造とは思えない実力。ハイスピードのラン&ガン。その安定の攻撃力の元は花宮と同じ無冠の五将の木吉鉄平。大きな手を最大限に活かすあとだしの権利とかなんとかで....。広がる点差に諦め出す二、三年生。 残り時間と点差を見れば進学校と謳われる生徒の賢い貴方達なら、逆転は不可能だと理解出来るだろう。それなのに花宮は笑んでいるのだ。
「諦めなければチャンスは来ます!!意地見せてやりましょう!」
「悪い顔....。」
花宮の複雑な思考は理解出来無い。でも、似た者同士 やろうとしている事は感じ取れた。
木吉鉄平 彼の様な器の広さと素直に感情を出せる熱血さ、才能。私達と正反対のそれらは苛立ちにしかならない。

手に入らないなら潰してしまえ。

宙を飛んだボールが ゴールに収まらず跳ねる。リバウンド勝負だ。

花宮の口が綺麗な弧を描く
パチン、指が乾いた音を紡ぐ
倒れ込んで行く選手
木吉の体から嫌な音が響く

ねぇ花宮。私 貴方のその顔がとても好きだよ?


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