芽吹いた恋心





IH初戦の選手控え室。ピリッとした緊張感が漂う。今まで調べてまとめてきた資料へもう一度目を通し選手たちに告げる。
「接戦にはなるでしょうが、いつもどおりの実力を出せれば勝てます!」
今日のこの日のためにみんながして来た努力を私は知っているから笑顔で送り出せる。
「時間だ。行くぞ」
監督が立ち上がり選手たちもそれに続く。
「....笠松、顔真っ青だよ」
「う、うるさい」
初スタメンのため緊急しているのだろう。ふっと息を吐き
「大丈夫。大丈夫」
と微笑む。
「笠松、深呼吸深呼吸。」
「スーハー、フー」
「ん、いってらっしゃい!」
「....おう!」
初めて見た笑顔に手にした資料を全て落としてしまった。
コートに向かう笠松の背中がいつもと違い とても逞しく見えた。


芽吹いた恋心が花開くまであと少し?


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