プレゼント:海常の場合





「ねーねー 明日の部活休みさー みんなで遊びに行かない?」
放課後の帰り道、椎名の言葉にピタリと固まる 笠松、小堀、森山、早川、中村。互いに目を合わせてから
「あー悪いな椎名オレ明日父親の姉の家に行くから。」
と小堀。
「オ、オレは親父の姉さんの旦那さんの葬式が....」
と笠松。
「オレは父さんの姉さんの旦那さんの叔父の葬式が」
と森山。
「オレは父さんの姉さんの旦那さんの叔父の弟が葬式です。」
と中村。
「オ(レ)はとーさんのねーちゃんのだんなさんのおじさんのおとーとの....「またお葬式?」
眉を寄せる椎名に
(さすがに嘘ってバレるだろ!?)
(なんで重ねたんだよ、おかしいだろ!?)
(先輩方が重ねてったんで、そのノリかと)
(その気遣いいらねー)
「が....き、危篤なんで」
「危篤!?今すぐ行かなくて大丈夫なの?」
「大丈夫っす 明日危篤になるんで!!」
((((イヤイヤイヤそれは無いだろ))))
「そうなんだ....お大事にね?」
((((信じたよ!!?))))
「....じゃーバイバイ!」
わかれ道にたどり着いて椎名はバスケ部のメンバーに手を振り歩き出した。
彼女の後ろ姿を見送ってから残った男子陣はもう一度目を合わせる
「明日9時駅前集合。遅刻すんなよ?」
新主将笠松の言葉にしっかりとうなづく残りの四人。
「よし、解散!」


「で、どーするよ?」
次の日 時間ピッタリに集合した海常バスケ部。
「やっぱり贈るなら椎名の喜ぶものがいいよな。」
小堀の言葉に
「感謝の気持ちと言えば花束だろ?ネットに女性に贈る人気プレゼント1位は「もういいっつーのネット情報は」
森山の発言を軽い蹴りを入れて遮る笠松を
(椎名先輩の癖完璧にうつったな)
と中村はぼんやり眺める。
「マネージャーになってく(れ)てあ(りが)とうのプ(レ)ゼントなんですか(ら)形に残(る)物で、仕事中にも使え(る)ヤツがいいと思うっす!!」
一斉に早川に集まる視線。
「「「「そ れ だ!」」」」
駅前にバスケ部員の声が響いた。




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「黒子のバスケ-Replace V-ひと夏のキセキ」に収録されている「誠凛高校バスケ部、始動!!」のリコさんが羨ましくて、海常メンツにつちのこの願いを叶えて貰う事にしました。続きます。


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