正式マネージャー





体育館に入る前
「笠松に勘違いされたら困るしな」
と森山から離された手。意味をあまり理解できずに入る。監督と笠松がこちらに向かって立っていて、その前に他の部員たちが座っていた。
「やっと来たか」
監督の言葉に
「お待たせしてすみません」
と頭を下げる。
「構わん。では次期部長から挨拶」
え?監督、今笠松を何と呼びましたか?ジキ?ブチョウ?頭が追いつかない。
息を吸い込んで笠松は話し出す。
「IH負けてしまったのはオレの判断ミスだ。それでもオレを主将に推してくれた監督や仲間に感謝する。許されたとは思ってない。だけど 主将になったからにはなんとしてでも勝つ!!オレについてきてほしい」
拍手が響く。
「椎名。お前のおかげで頑張ろうって思えた。ありがとう」
「笠松」
「お前のために勝つ」
「私も!!」
ざわつく周囲に負けないよう大声を出す。
「みんな今更って思うかもしれないけど、私っ正式マネージャーになります!」
「あ〜....その事なんだけどな」
小堀が頭をかきながら言った。
「お前 もうとっくの昔に正式マネージャーだぞ?」
「は?」
やっと追いついた頭がまた置いてきぼりをくらう。
「放課後居残り届け出すとか、遠征費出してもらうとか、説明めんどくさいから正式マネージャーとして名前書いてる」
「嘘」
「本当。じゃないとこんな遅くまで残れないぞ?」
わ、私の決意を返してくれ。文句を言おうとしたら、
「お前らーさっさと帰れよ」
と監督から注意が入る。


なんかさー 笠松みたく私もビシっと正式マネージャーになりたかった!


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