ギャグと言うより下ネタ?です。いや 違う!ギャグハーです。(多分)
下品な言葉が飛び交います。



昼休み。霧崎スタメンの山崎弘は周囲をキョロキョロと見回しながら男子バスケ部の部室へと入っていった。扉を閉める前に顔だけを廊下に出して左右を更に見回し、誰もいない事がわかるとそのまま部室に頭を引っ込めた。
そこで一つ息を吐く。

「はぁー...ってうおっ!!」

誰もいないと思っていた部室のソファに横たわる瀬戸に体が跳ねたが、寝ているとわかるともう一度安堵のため息をついた。

「ま、コイツなかなか起きねーし、大丈夫だろ」

そう独りごちて簡易ベンチに腰掛ける。本当はソファに座りたかったが今から読むつもりのもののせいで瀬戸を起こす訳にはいかない。

「......」

ガサガサと中が透けないタイプのビニール袋から取り出したのは 露出の多い女性が挑発的にこちらを見ている写真が表紙の...いわゆるエロ本だった。
クラスの男子の中で回し読みされているその本が自分の元に来たので 人目のない部室で読む事にしたのだ。

「...」

ちらっと見た時気になった 女性が大きく写し出されているページを開く。理想通りな体のラインに息を詰まらせると、

「やほー ザキちゃん。原ちゃんを置いてどこ行ってんのさー」
「うあああああああああああああ!」

突然の乱入者に慌てて本を袋に突っ込むも、目敏い原はニヤリと口を釣り上げ からかうような声で山崎を追い詰めた。

「え?何?エロ本でも読んでたの」
「うぐっ」
「マジでーww部室でエロ本とかwwファァァァアーーww」
「うっせうっせ!家だとおかんがいて安心して読めねぇんだよ!」

開き直って再びページをめくりだした山崎に後ろから多い被さるように原ものぞき込んだ。

「げ〜。ザキ相変わらず巨乳好きなんだ」
「悪いかよ」
「悪くないけどコイツの胸作りもんだよ?」
「ま じ か」
「まじまじ。体の線からしてこの大きさはありえないって」
「う...」
「で?ザキ君の理想の胸のサイズは?」

原はニヤニヤと笑いながら持っていたペットボトルをマイク代わりに山崎の口元に差し出す。

「やっぱD以上が理想だろ?パイズリとか男のロマンだぜ」

なんだかんだノリノリで応える山崎の耳にこの場にいないはずの声が聞こえた。

「キモっ童貞くさーい」
「ヤッホー名前ちゃん」
「おおおお前いつからいいいたんだよ!!!」
「ザキがえろ本広げてだらしなく笑ってるとこから」
「最初からかよ!」
「ドンマイ♪ザキ♪」

瀬戸とソファの間から「よいしょ」と呟きながら男子バスケ部マネージャーの苗字名前が出てきた。

「健ちゃんが気持ち良さそうに寝てたから一緒に寝てしまったー。」

スマホをいじりながらそう言った名前はニコリと笑って山崎を見た。

(やばいオレ終わったんじゃね?)
(ドンマイ♪ザキ♪)

2年も共に過ごしていれば彼女がこの笑顔をみせた時にはとんでもないイタズラをやらかすと身を持って知っている。

「さっきのザキの姿 ちゃーんと写真におさめてるからバスケ部レギュラーに送っておくね?」

予想通り鬼のような事を言い出した名前に山崎は「止めろおおおおおお!」とスマホを奪おうと突進するがひらりと軽やかにかわされて 手は虚しく宙を描いた。

「そーうしーん
「うあああああああああ!」

ピンとたてた人差し指でスマホの画面をタップする名前はとてもいい笑顔だった。

「で?ザキは巨乳が好きなの?」
「おお女がそんなもん見んなよ!!」

文句を言おうと口を開いた山崎は名前がためらわずエロ本をのぞき込んだ事で焦りで裏返った言葉しか出なかった。

「ザキ、女の子に夢持ちすぎ。女子高生だってエロ本ぐらい読むよ」
「ま、マジでか?苗字だけじゃねーのか?」
「そうそう(多分)」

「いや、苗字だけだろう」
「お前ら騒ぐんじゃねーよ。外まで声漏れてんぞ。あ、ザキ。お前今日の練習メニュー3倍な」

扉を開けて違和感なく会話に入って来た 古橋と花宮。花宮の言葉に不平を漏らしそうになった言葉を飲み込む。これ以上被害を増やしたくない。

(畜生、苗字覚えてろよ!)

ギリリと歯噛みして苛立ちを抑える山崎に気付かず、名前は最終的に全員集合したレギュラー陣の中に混じって原の「やっぱ美乳が一番っしょ」の話に耳を傾けていた。

「大き過ぎると垂れるもん。垂れたおっぱい見ると萎えるから 理想はお椀型かな?乳首は上向きで、鎖骨の中心とつなぐと正三角形になるなら完璧だね〜」

ふふんとどや顔で笑ってるが大したこと言ってないぞ。花宮も古橋もあきれ返ってるじゃないか。

「まったく。先程から黙って聞いていれば巨乳だの美乳だの一部しかいないものに目の色を変えて。世の女性に酷いとは思わないのか?」
「おお、康次郎がまともな事を言ってるよ」

名前は古橋を尊敬の混じった眼差しで見つめる。「もっと変態二人に言ってやれー」と声を弾ませる彼女が悔しくて、

「カッコつけてんじゃねーよ!!」
「ザキの言う通りだよ!古橋だって男なんだから性欲くらいあるでしょ!」

声を揃えて反論する。

「康次郎がアンタらみたいな変態な訳「やっぱりちっぱいだろう!?」...は?」

唖然と見上げる名前の目の前で古橋も自分のおっぱい談義を展開させる。

「あるかないかの膨らみが最高だ。自分で育てる楽しみもあるしな。まぁオレはちっぱい一択だが」

「そんな、康次郎は違うと思ったのに」とうなだれる名前に山崎は(オレはお前が平気でエロ本見れるヤツだと思ってなかったよ)と心の中で返す。

「ううう...はっそうだ!健ちゃん!健ちゃんは違うよね?」

瀬戸はしがみつかれてずらしたアイマスクの隙間から名前を見た。イビキが聞こえないと思ったら起きていたのか。

「んーまぁオレ胸に興味ないからね」
「だよね!」
「尻派だし」
「」
「ファァァァアーーwww名前ちゃん息してww」

「健ちゃんに裏切られた」
「あのね名前。男はみんなそうなの」

ぽんぽんと頭をなでる瀬戸へ「知りたくなかったよぉ」と泣きつく名前に山崎は(オレもお前がエロ本見れるヤツだなんて知りたくなかったよ)と心の中で返す。

「それもこれもザキが部室でエロ本読むからだよ!」
「オレかよ!?」
「まーエロ本に頼るとかありえないよね」
「じゃオカズどうすんだよ!?」
「ハァ?んなもんオレの事好きな女に 裸見たい って言えばすむっしょ」
「原ちゃんサイテー」
「よし原テメェはオレを怒らせた」
「やーん二人ともこわーい原ちゃん泣いちゃうww」

一発吹っ飛ばしてやろうと腕を回せば静かな声に遮られた。

「乳とかケツとか そんなのを基準に女を選ぶんじゃねーよ」

我関せずと言うように黙っていた花宮が腕を組んでオレ達を見下ろす。名前は顔を輝かせながら拳を突き上げた。

「流石花宮!もっと言ってやれ!」
「大事なのは感度だろ?」
「」
「ファァァァアーーww名前ちゃん生きてww」
「ぐすっ。ま、またこのパターン...」
「むしろリアリティすぎると思うのだが」
「流石花宮。外道なまとめだね。」
「ふはっ苗字の方がオレらに夢みてただけだろ」
「うわあああああん もういいよっ!」

瀬戸の腕から離れ部室の隅でいじける名前の背中に原は問うた。

「てゆーか 名前ちゃんはどうなんだろう?」
「は?」

潤んだ瞳で振り返る名前を光の差さない目でじっくり眺めながら古橋は査定する。

「ぱっと見 貧乳だが」
「いや、苗字は着痩せするタイプと見た。さっき一緒に寝てた時すっごく柔らかかったし意外と脱いだらすごいかもよ?」
「感度もいいかもしれねぇな。確かめるか?」

花宮のその一言に一斉に名前を見る霧崎一軍メンツ。

「え?いやいやいやいやちょっとなにいってるのかわかりませんね」

じりじりと後ずさるが自分から部室の隅に移動してしまったのですぐに背中は壁についた。

「ザ、ザキ!みんなを止めさせて!」

霧崎第一の良心?に助けを求めるも

「お前 さっきオレが止めろっつても止めなかったよな?」

と花宮並みのあくどい笑顔で返される。山崎もやはり霧崎第一バスケ部の一員なのだ。

「捕獲(パチン)」
「「「「さーいえっさー!!!」」」」
「こんな時にチームプレー発揮するなああああああああああああああああああああああああああああああ」





実話が元です。
続き?ありません。ギャグになれず沈みましたorz




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