雑文章なので後で修正すると思います。



体育館工事の為中止となった部活。休日と重なり本屋巡りでもしようとバスに乗った。毎朝鬱陶しい挨拶をしてくる花城から開放された と流れる景色をぼうっと眺める。プレイスタイルは最悪だが練習量は他所の強豪校と変わらない霧崎第一バスケ部は休日も練習があるので、毎朝ストーカーのように同じ場所でオレを待つ花城と嫌でも顔を合わせなければならないのだ。他の道を行けば会わずに済むだろうがアイツの為にオレが遠回りするのが癪だったから諦めた。2番目の彼女にしてくれと言う割りにアイツはオレに何も求めてこない。会えば挨拶が煩い程度だ。
と考えて 自分の頭の中が花城で埋められている事実に不快感が増した。バスの停留所に花城の幻覚が見えたぞ?本格的に不味いな いつの間にか毒されて...
現実逃避したかったがどうやら本物の花城だ。休日まで顔を合わせなければならないとは...。バスに乗って来た花城に見つかりませんように と祈る。運良く気づかれなかったようで窓の外を目を輝かせながら見ている。オレとは正反対だな。オレと花城の目を足して2で割ったら普通になるかも。くだらない事を考えていると視線を感じたのかこちらに顔を向けられた。目を逸らしたが遅かった。更に目を輝かせ オレに手を挙げた瞬間、
「は?」
いきなり鼻を押さえて座り込む。視界から消えた花城に戸惑いを隠せない。
「何?」「うわっ鼻血」「気持ち悪い」
バスに溢れる非難の声に人をかき分けて歩く。
「最悪。嫌なもの見せられた」
顔を曇らせる花城の手を掴む。
『霧崎総合病院前〜、霧崎総合病院前〜』
バスのアナウンスに重ねて言う。
「降ります!」
きょとんとこちらを見つめる花城を引っ張ってバスを降りた。




「ほら」
ハンカチを差し出せば
「あ”りがど...ございます」
と詰まった声で返事。駅 一つ早くに降りてしまったなあ と走り去るバスを見送る。
「止まったか?」
ハンカチをビニール袋井入れ 少し子供っぽいデザインのポシェットにしまう花城に声をかければ
「はい!ありがとうございます。やっぱり古橋君は優しいですね。さすが私の認めた人」
と満面の笑み。
「ずっと不思議だったんだが」
「はい?」
「どうして2番目なんだ?1番目じゃなくて?」
花城は顔を赤らめ全力で両手を振った。
「1番目なんてそんなっ私なんかが恐れ多い」
「.........お前の中で恋人の定義はなんだ?」
「えっと 名前で呼び合ったり お揃いの物持ってたり デザート半分こしたり ペアリングとかデートで手をつないで....................キ、キス...したり?」
少女漫画の読み過ぎだろうコイツ。ベタ過ぎて呆れる。
「古橋君は?古橋君は恋人に何を求めますか?」
「無言でも良い人」
「え?」
「話さなくても苦にならない人」
「...」
「....」
「........」
「............」
「あ〜〜〜〜!!無理!気まずいです!」
「ふっ だろうな」
花城が出来ないと思ったから言ったのだから。
「笑ってくれた」
「は?」
「私といるときはいつも無表情か眉間にシワ寄せてるんですもん。古橋君」
「元からこうだ」
「やっぱり笑顔素敵ですね」
「やっぱり?」
「私、古橋君の笑顔に一目惚れしたんです」
コイツの前で笑った事あったか?オレが笑うなんて一年間でも数える程なのに、記憶にない。
もう一回 笑ってくださいよ〜 と周りをうろちょろする花城を止めるように尋ねる。
「どこに行くつもりだったんだ?」
「え....あ、 町探検です」
「町探検?」
「はい!今まで過ごしたこの町をもう一度よく見て思い出を作ろうと思って」
「それはどこかに引っ越すみたいな口ぶりだな?」
「違いますよー。そうだ!古橋君も一緒に探検しましょう!!」
「え?おい」
バスを降りるときとは逆の立場で花城に引っ張られ つんのめるように歩き出す。
「やりたい事、行きたいとこいっぱいあるんです!」
花城のポシェットから電子音が響く。ケータイを取り出し画面を見るとそのまま電源を切った。
「出なくてもいいのか?」
「はい!いいんです。じゃあまずはゲームセンター!!」


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