放課後。いつもなら旭を引っ張って体育館に直行するのだけれど、今日は違った。チャイムと同時に教室を飛び出し、廊下を走る。目的の教室までたどり着くと勢いよくトビラを開けた。
「レオ姉━━━っっ」
「何よ うっさいわね」
レオ姉は教室から出ようとしている途中で、鞄を肩に掛けながらこっちを見た。視線があって 何かを悟ったように にこりと笑う。
「アラ、もう私と旭ちゃんの噂 流れちゃったの?」
余裕のある表情にオレの焦りは増える一方で。
「じ事実なの?」
「どういう噂が流れたか知らないけど、旭ちゃんを抱きしめただけよ?アンタも毎日やってるでしょ?」
キスしていた と言う話は間違いらしい。悩んでないで旭本人にさっさと聞けば良かった。ホッと息を着くと自分の席からいつの間にかこちらに来ていたレオ姉がオレの目の前に人差し指を突き出した。驚いてまじまじ見ていると
「宣戦布告」
とウインク付きで言われる。落ち着いた気持ちがまたざわざわと騒ぎ出す。
「それってどういう」
意味 と聞こうとしたら、
「お二人さん そういうのは教室でするな。目立ってんぞ」
レオ姉と同じクラスの永吉が間に入って来た。好奇の視線が集まってる事に気付き
「さっ 部活行きましょ」
とレオ姉がオレの横を通り過ぎる。
「う、受けて立つもんね!!」
自分より幾分大きな背中に全力で返すと
「望むところ」
と背を向けたまま返された。




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