(ん〜?)
考えれば考えるほど、ボクは彼女の何が好きなのかわからなくなっていた。
全身の穴と言う穴からいろんな液体が出てしまいそうなほど(実際、告白を受け入れてくれたときは出た)好きだと思っていたのに、絶望的に彼女の魅力を理解できなくなっていた。
というか、何が魅力なんだろう?
可愛い顔可愛い仕草可愛い声。
みんなよく考えれば「そりゃそうだ」で済んでしまう。
だって希望溢れる森下さんなんだもの。可愛いに決まってる。で?それがどうした。
「狛枝くん変な顔してるよ」
「ストレートな悪口を本人にぶつけるなんて森下さんって思ったより性格悪いね」
「そういう意味じゃないよ」
こてんと首を倒して見上げる仕草が可愛い。腹が立ってくる。
要は彼女がボクの好意を利用していると感じているのだ。
CMでも言っていってるじゃないか。カワイイは作れる!つまりボクが感じるこの「可愛い」は作り物のカワイイかもしれない訳だ。
もう騙されないよボクの純粋な恋心を利用しやがって。この悪魔!
左右田クンがソニアさんにふられた話なんてどうだっていい。ボクといるのに他の男の話しなんかするなよ!作り物の君はもううんざりだ!さっさと本物になってよ!
「あっ」
「どうしたの?」
「さっき花村くんにクッキー焼いてもらってね、一緒に食べようよ」
だからボクといるのに他の男の話をするんじゃないよ。いつ花村クンと話したのさ。そのクッキー媚薬入りとかじゃないよね。
「森下さんって一度にいろんなこと考えてるよね」
「そんなことないよ」
「じゃあ今何考えてる?」
その唇を触る癖、見かけるたびに悔しくなる。自分の唇撫でてどうするの?ボクの唇撫でてよ。
「狛枝くんが好きだなぁって考えてるだけ」
「......は?」
「えへ、照れるね。もう言うのやめよう」
この悪魔!騙されるところだ。嫌、この後起こる不運に殺されるかもしれない。決定的に最低で最悪で愚かで劣悪で何をやってもダメなボクにたかっても何も出ないんだから。...なんでもう言ってくれないの?
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タイトルはキュウソネコカミから。
歌詞もPVも最高に面白いのでお勧めです。