男の子2


眠い。入学式でも長ーい話は聞いたからもう許して欲しいんだけど。チラリと斜め前を見れば赤髪君 いや火神大我もあくびを堪えるよう歯を食いしばっていた。そう、私がこけそうになったところを支えてくれたあの人は同じクラスだったのだ。


「あ!」
「お前!さっきの」
「同じクラスだったんだね。さっきはありがとう。私河原井晴夏よろしく。」
「よろしく。火神大我。好きなものはバスケ」
「何よ急に」
「イヤ、オレの兄貴が自分をアピールするには好きなもの言えって」
「へえー火神お兄さんいるんだ。」
「あ....血はつながってねぇんだけどさ....」


そんな会話をしたのが遠い昔に思える。
「ふわぁーーあ。」
耐え切れなくてうつむきながら大きくあくび。すると左側の真横からくすくすと笑い声が聞こえた。
えっ私の左隣誰もいなかった気が....まさか!オバケ!?
バッと声のする方を見れば、透き通った肌に綺麗な水色髪の男子が口元を押さえて優雅に笑っていた。思わず叫びそうになる。だって確かに私の左隣は誰もいなかったはず!?叫ばなかった私は場をわきまえててえらいと思う。ハクハクと口を動かしていると私の 視線に気づいた男子は
「あぁ....失礼しました。必死にこらえている様子が可愛らしくて。黒子テツヤと言います。これからよろしくお願いします。」
と礼儀正しく自己紹介してくれた。
「あ!私は」
「知ってます。と言うより火神君との会話を聞いていました。河原井さん」
嘘 その時からいたの!?びっくりしていると黒子は苦笑いしながら
「僕影が薄くて、よく見過ごされるんです。」
と言った。
「ふーん すごいね。」
思ったままの感想を言えば次は黒子テツヤがびっくり顔になった。ふっと微笑み
「ありがとうございます」
と言う。てか黒子目めっちゃ綺麗だね。


その優しい眼差しに懐かしいような安心感を感じた。



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