男の子


桜舞い散る四月の始め私は誠凛高校一年生になりました....。

いやっほー!女子高生だ!いっぱい友達作って、いっぱい遊んで、何か夢中になれる事見つけて、勉強も....まぁ....少々♪部活はどうしようかな?中学の時仲良くしてくれた二人の先輩を思い浮かべる。神奈川の高校へ行った先輩も地元に残った先輩もバスケ部マネージャーをやってるらしい。んーでも私バスケ興味ないしなぁ
新入生を勧誘する人の群れをかわしながら、揉まれに揉まれていると
「きゃっ!」
足がもつれて倒れそうになった。
がくん
地面にぶつかるギリギリの所で引っ張られる。
「大丈夫かよ」
襟ぐりを掴み上げられて....え?足つかな....い。
「大丈夫かって聞いてんだけど」
首苦しくて答えられないんだって
「おいっ....? !!悪い」
地面に降ろされて息を吸い込む。と、とりあえず助けてもらえた(?)んだしお礼言わなきゃと振り返って驚く。目線の先がお腹!?顔を少しずつあげる。胸元に新入生を表す花飾り。えっ一年生??同い年とか信じらんない。ゴツイリングのネックレス。派手な赤髪と鋭い瞳。う....うわぁヤンキーさんにぶつかっちゃった。
河原井晴夏愛しのあの子に再開も果たせぬまま新生活スタート地点で死亡フラグ。目の前が涙でかすむ。
「わっ悪い 首絞めるつもりはなかったんだよ!」
あれれ?ヤンキーさんは見た目の割に優しかった模様。乱暴にスカーフや襟を直しおろおろしながら私の顔をのぞき込んだ。
「ん、大丈夫。ありがとう」
微笑めばほっと安心したように私の頭をぐしゃぐしゃなでた。
「そうか 良かった。じゃあな。」
赤髪君は群がってくる勧誘隊を歯牙にもかけずどんどん進んで行く。


赤い髪にどこか懐かしいと感じた。


折角直してくれたけど逆に酷くなった制服を整えて、ボサボサ頭のまま私も自教室へ走り出した。




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