登校


ゆるりと目を開ける。夕日でなく柔らかな朝日が部屋を照らす。
「懐かしい夢....」
ベッドから体を起こし伸びをする。幼い頃の思い出。初恋の男の子との美しい思い出。幼かったが本当に恋していたと自負している。顔すらはっきり覚えてないけれど 本当の恋だからこそあの子を追いかけ(?)高校は地元を飛び出し東京にやって来た。ま!ぶっちゃけ顔どころか名前すら覚えてないけどね。こういうのは思いついたら行動あるのみ!

必要最低限の物しか出していないダンボールの山をかき分け新しい制服に身を包む。白いスカートってなんだか恥ずかしい。
「“何が何でも朝ご飯いや三食きっちり食べなさい!”ってね」
一人暮らしを許してくれたお母さんが家を出る前何度も繰り返した言葉をつぶやき冷蔵庫から牛乳と昨日の夕ごはんの残りのサラダを取り出す。
「毎日牛乳飲んでるのにどうして身長伸びないかな〜」
おっと独り言は老化の始まりって誰が言ってた気がする。身支度を整えれば八時ぴったり!うん、ここから学校は近いし、入学式開始は八時半から。ちょうどいい感じじゃん

「行ってきまーす」

返事の無い事がちょっと寂しいけど私はそれよりも新生活の始まりにドキドキしながら家を飛び出した。



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