「かすがって、手あったかいね」
突然私の手を握り、佐助は言った。
「なっ、なんだいきなり」
「いや、何かかすがってあったかそうだなーって思ってさ」
未だに私の手を離さない佐助の手は、ひどく冷たかった。
「お前の手は冷たいな」
「そうだねぇ。あ、知ってる?手が冷たい人って心はあったかいんだって」
佐助は特有の笑みを浮かべて言う。
「…その理論は完璧に間違っているな」
「えー!何それ酷くない?」
俺様へこむなーとか言いつつもまったく傷付いてない様子。
「…にしても、ほんとにあったかいよねかすが」
「…佐助、何故私の手が温かいか、わかるか?」
わからないと首を振る佐助に、私は普段絶対に見せない小さな笑みをこいつに向けた。
「お前の手をあたためる為だ」
ボクの手が温かい理由