※現パロで鶴姫の独白 鶴姫とかすがが親友設定 私とかすがちゃんは親友だった。小学生の時から仲良しで、中学、高校と一緒の学校に進んだ。 大好きだった。 昔からかすがちゃんはしっかり者で、小六の時から委員長をやっていた。中学に入ってもそのリーダーシップを発揮し、生徒会に入って皆をまとめていた。高校には推薦で入学し、二年生の時に弓道部の部長となった。そして部活を引退した後生徒会副会長となり、あくせく働いていたのを覚えている。有名な国立大学にも推薦で合格し、周りから凄い凄いと讃えられていた。 それに比べて、私は。 小学生の頃は毎日遊びほうけていた。時々かすがちゃんから委員会の愚痴を聞いて、他人事のように「大変そうだなぁ」と思っていた。 中学ではかすがちゃんをバドミントン部に誘った。本当は吹奏楽部に入りたかったらしく、後で聞いて悪いことをしたなと後悔した。かすがちゃんが生徒会で働いている間、私は小学生の時と同じように遊びまくっていた。思えばあの頃が一番楽しかったように思う。 高校に入学し、一緒の弓道部に入部。二年生になって決められた部の中の役割。部長がかすがちゃんで副部長が私になった。先輩は私とかすがちゃんが親友であることを知っていたので、かすがちゃんを助けてあげられるのは私しかいないと思って任命したらしい。 でも、それは間違いだった。 副部長だなんて名前だけ。私は何もやっていない。殆どかすがちゃんが仕事をこなしていた。たまにかすがちゃんから部活の相談を受けることがあったけれど、私はちゃんとした答えを返すことができなかった。 悔しかった。言葉にできない自分に腹が立った。 皆を仕切るかすがちゃんを見て、心底羨ましいと思った。しっかり者のかすがちゃんに、部員はちゃんとついていった。 私も、あんな風になりたかった。 外見でも私はかすがちゃんを羨んだ。目鼻立ちのくっきりした綺麗な顔、豊満な胸、くびれた腰、細い足…私にはないものを、かすがちゃんはいっぱい持っていた。服のセンスもメイクも、私とは違って可愛かった。 総てが、私とは違っていた。 一番羨んだのは、その手際の良さだった。 誰かに何かを説明する際、かすがちゃんは要領よく順序だてて話していた。 かすがちゃんは見知らぬ所に平気で電話もかけられた。 卒業旅行のプランだってかすがちゃんが旅行会社に一人で行って立てた。 何もかもが私より優れていて、何もかもがかすがちゃんより劣っていた。 私なんかが親友でいいのかと何回思っただろう。こんな落ちこぼれがかすがちゃんの親友でいいのかと。 悔し涙を何度流しただろう。どうしてこんなに優劣があるのかと。 悔しかった。 ただ悔しかった。 悔しい悔しい悔しい! その感情が渦巻いていた。 そして最近、覚え出した違和感。 楽しいけれど、擦れ違っている気がする。 一緒にいても、何処かぎこちない空気。 私の擦れた心が、彼女に伝わってしまったのだろうか。 もう、親友ではないのかもしれない。 そう思うようになった。 何故だろう、こんな感情に至ったのは。 何時からだろう、彼女に対して羨望の眼差しを向けるようになったのは。 多分続きます。← |