「なぁ、三成のことどう思う?」
教室に忘れ物を取りに来て、私はドアを開けようとした手をぴたりと止めた。この声は…家康か?
「我はあまり好かぬ。あの物言いが一々気に食わぬし口を開けば豊臣先生のことばかりだろう」
黙れ毛利私も貴様なんぞ好いておらんわ。それに豊臣先生は偉大なお方なのだぞ。
「俺は結構面白い奴だと思うけどねぇ。特にあの前髪が(笑)」
男なのに髪を伸ばしている貴様もどうかと思うぞ前田。
「石田殿はとても真面目なお方だと思いまする!学業も部活動も熱心にやっておられて、某尊敬しているでござる!」
それは真田にも言えることだと思うがな。学業はともかく部活は私よりも打ち込んでいるだろうに。
「俺様は普通かな〜。けど男のくせに細いよねあの人!普段何食べてんだろ」
猿飛も充分細いわ。あと私が普段食べている物は、
「こんにゃ○畑だな!」
…何故わかった長曾我部。
「あいつこんにゃ○畑大好きなんだよ!気が付けばそればっか食ってるし(笑)」
弁当に刺身を入れてくるお前に笑われたくない。
「HA!だからあんな軟弱なんだな!つか俺未だに名前覚えられてねぇんだけどどういうこと?何あいつ俺が嫌いなの?」
………誰だあやつは。
「嫌いというわけではないと思うぞ!三成はああ見えて優しいからな!」
いぃいえぇやぁすぅううううう貴様に私の何がわかるというのだアアアア!!!
……と、私が一人でドアの前で立っている内にも、彼奴らの会話は途切れることはない。私は忘れ物を取るのを諦め、その場をそっと立ち去ろうとした。だが、ふと思い留まった。
――今ここで教室に入れば、彼奴らはどんな反応をするだろう。
そう思い立ち、またドアの前に立った。まだ会話は続いている。私は取っ手に手をかけ、勢いよくドアを開いた――…
さあ、彼らに混乱を