体育大会を間近に控えグラウンドでの練習も増えてきた頃、利家が受け持つ体育の時間を潰し、自己紹介の場が設けられた。しかし場所は教室ではなく第一体育館で、生徒は皆体操服を着て円になって座っている。

「よーし皆揃ってるな!それじゃあ今から『3年2組の自己紹介パーリィー(笑)』を始めるぞ!」
「(笑)って何だよ失礼だな」
「すまん!じゃあ取り敢えず、名前と誕生日と部活と委員会…あ、入ってなかったら係な。後は適当に言ってくれー」

利家が座った後、早速出席番号順に自己紹介を始めた生徒達。





「浅井長政だ。9月26日生まれで、部活は無所属。風紀委員会の委員長を務めている。嫌いなものは悪だ!」


「…石田三成。誕生日は10月1日。剣道部部長だ。生徒会副会長であり、この世で一番嫌いな人は家康だ死ね家康」


「大友宗麟です。誕生日は2月12日。部活は合唱部に属しており、日本史係です。尊敬する人は……あぁ!ザビー様!」


「大祝(おおほうり)鶴姫です。6月25日に生まれました!部活は弓道部で、図書委員会所属です!お慕いしているのは…宵闇の羽の方です!きゃあっ照れますっ!」


「…織田…市……誕生日は…6月…14日で…部活は……何も…入ってないの……委員会は…長政様と同じ…風紀委員会よ……そして…全部…市のせい…」


「小山田信茂と申します。2月20日生まれで部活は剣道部副部長、生徒会で書記を務めております。あ、ニックネームはアムロ田です」


「小早川秀秋です……ひっ、そんな睨まないでよ三成くん…誕生日は9月16日でぇ、部活は何も入ってないんだぁ…委員会は保健委員会だよぉ。あ、保健委員担当の天海様はすごく優しいんだぁ!」


「私は雑賀孫市。5月2日生まれで部活はバレー部キャプテン。委員会は入っていないが、2組の組長を受け持っている。というか、女子が少なくてむさいよなこの学校は」


「某は真田幸村!6月27日生まれで部活は野球部、委員会は入ってはおらぬが、国語係でござる!お館様の為、甲子園出場を目指して日々特訓しておりまする!!」


「俺様は人呼んで猿飛佐助。誕生日はこどもの日なんだぜ〜。バスケ部部長で、保健委員会委員長でーす。取り敢えず皆、怪我だけはすんなよ?」


「僕は竹中半兵衛。誕生日は7月6日。部活は無所属で理科係担当。学校にいるのが少ないから、ちょっと寂しい気もするよ」


「伊達政宗だ。6月27日生まれで、部活はサッカー部。数学係担当だ。今度はサッカーで天下を取ってやるぜ!」


「俺ァ長曾我部元親。誕生日は7月6日。水泳部キャプテンで男子体育係だ。俺に泳ぎで勝つ自信がある奴は出てこい、相手してやる」


「ワシは徳川家康。5月22日に生まれた。ボクシング部部長で、生徒会長だ。この時代でも、絆の力は大切にしたいと思っている」


「鉢ヶ崎かすが。誕生日は8月8日。新体操部部長で女子体育係。好きな人は…謙信様ぁあぁああぁあっ!!」


「俺様が通訳すると…『風魔小太郎。誕生日は12月24日。バスケ部副部長。図書委員会委員長。趣味は読書』だってさ〜」


「こいつは本多忠勝。12月3日に生まれ、部活は無所属、生徒会会計だ。いつもワシのサポートをしてくれる相棒みたいな奴だな。前世ではロボットみたいな奴だったが、今はちゃんと人型だぞ!極端に無口だけどな!相変わらず鹿の角みたいなのは取れねぇみたいだが(笑)」


「俺は前田慶次!6月4日生まれだ!俺は縛られんのが嫌いだから部活も委員会も入ってねぇ。係は…何だっけな?んまぁ、もうすぐ体育大会だし皆頑張ろうぜ!」


「俺様宮本武蔵!誕生日は6月13日だ!部活は何も入ってねぇ!係はー…えっとー…忘れた!取り敢えず俺様最強!」


「我が名は毛利元就。生まれは7月6日。書道部部長、園芸委員会委員長なり。日輪を馬鹿にする愚か者は我が成敗致す」





全員終わったところで、最後に利家が立って皆を見回した。

「ありがとう皆。じゃ、最後に俺だな。俺は前田利家。誕生日は4月27日。体育教師でバスケ部顧問だ。これから一年間、よろしくな」

にかっと笑った利家を見て、生徒達もつられて笑う。

「………」
「…どうした毛利」

黙って何かを考えている元就に向かって、元親が声をかけた。

「……今気付いたのだが、」

静かな声音で話す元就を、何事かと見やる生徒達。

「…皆が生まれた日は、それぞれ前世で死んだ日ではないか?」
『………』

元就に言われて黙り込む2組。そう言われてみれば、と誰もが思った。

「確かに、相討ちした俺と真田や、元親と毛利のbirthdayが一緒だもんな」
「気付かなかったでござる…」

少ししんみりした空気になり、誰も口を開かなかったその時、慶次が勢いよく立って皆を元気づけた。

「おいおい、そんな顔すんなって!前世のことなんてもうどうでもいいじゃねぇか!こうしてまた会えたんだし、今を楽しもうぜ!」

慶次の言葉に皆が顔を見合わせ、そうだな、と笑い合う。それを見た利家は、優しげに彼等を見守っていたのだった。




自己紹介
(設定って大事だよね〜)






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