―――――――――――――――――― 観察日記2日目 ――――――――――――――――――
今日、東方君は遅刻した。1限が終わるか終わらないかという所。服とか結構汚れてるけど何してたんだろう。喧嘩かな。
ちなみに、おくやす君とやらをリサーチした結果、フルネームは虹村億泰で星座はてんびん座。身長は170後半らしいということがわかった。女の子たちからは怖がられているみたいでこのくらいの情報しか集まらなかった。
東方君の観察に戻る。
2限〜4限までは、いつも通り寝ていた。イビキをかいて寝ていたので、先生に頭を叩かれて怒られていたm9(^Д^)
お昼、東方君は虹村君と合流した。また学食かな?と思ったが屋上に行くみたいだ。よく見たら二人ともコンビニの袋を下げていた。
屋上に向かう階段でのスニーキングは大変だった。ここは現実だからね。某スニーキングゲームの様にザル警備なわけじゃない。話し声を頼りに距離をはかりつつスニーキングした。多分ばれてないはず。
2人の話しを耳をすませて聞いていると、スタンドという単語がよく出ている事に気がついた。スタンドとはなんだろう。今の男子の流行りの何かかな?これもリサーチする必要がある。
彼らの後を確実につけるために頃合いを見て掃除用具入れの中にかくれた。何か悪い事をしている気分!ちょっとドキドキして楽しい。
彼らが屋上を出てから十分距離を保ってスニーキングを続行したが、2人は保健室に入っていってしまった。さすがに中にまで入る勇気は無かったので教室に戻ることにする。
午後の授業には東方君は出席しなかった。鞄は机にかかっているので、多分保健室でサボっているのだろう。
放課後、保健室から戻ってきたらしい東方君はいつもと同様に虹村君と一緒にどこかへ向かった。もちろん尾行する。
ついた先は霊園の向こうにあるお店だった。こんな所にこんなお店あったんだ……。 二人が入って行った後、窓の外からこっそり中を覗く。すると、中では水らしき物を飲んだ虹村君が大量の涙を目から流していて、オレンジジュースみたいな物を飲んだ東方君は髪の毛が生きてるみたいにうにょうにょしていた。な、なんじゃこりゃ!
でも、しばらくすると元に戻っていた。しかも、虹村君は眠そうだった目がぱっちりしていて、東方君はいつものリーゼントは崩れていたが、髪の毛がツヤッツヤだった。す、すごい!
その後も料理が運ばれるたびに凄まじい事が起こっていた。
これはすごい!やっぱり東方君を観察しようと思った私の目に狂いはなかった!
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「こんなトコでドウかされましたカ?」
「ひゃわっ!」
彼らが出ていった後、観察日記を窓の下でゴリゴリ書いていると、いきなり声をかけられた。
しゃがみながら書いていたため、驚いて尻餅をついてしまった。
「おお、大丈夫ですカ?驚かせてしまっテすみませン」
そう言って手を差し延べてきた彼の手をとり、立ち上がる。
「あ、ありがとうございます。」
「いえ、元々転ばせてしまったのはワタシのセイですかラ。それより、もしよけレバお食事をシテいきませんカ?窓から見ていたんでショウ?」
「えっ、気づいて……ま、まさか東方君たちも気づいて……?」
「いえ、彼らは気づいてハいないようでしたヨ。さぁ、こちらへドウゾ」
「ふぇっ、は、はい…」
どうやら、この店の店員さんらしい外人の方には、外から中を見ていたのがバレていたらしい。
強すぎず、優しすぎない丁寧なエスコートを受け、私は店の中に足を踏み入れた。
《
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