つ、と垂れてくる汗を拭うのも面倒くさくなるような猛暑日。 縁側から足を投げ出し、パタパタと団扇で扇ぎながらサイダー味のアイスを頬張る。
海かプールに行きたいなぁと思いながら、チリンチリンと鳴る風鈴をぼうっと見ていると、口だけで支えていたアイスを後ろから誰かに取られた。
暑さで動かすのもだるい体をなんとか動かし、後ろを見遣るとすでに棒だけになったアイスを承太郎がくわえていた。
「私のアイスぅ〜……」
「人んちで勝手に何やってんだ」
「ボーっとしてるのぉ〜」
呆れたような視線を向けつつ聞いてくる承太郎をよそに、けだるさ全開でごろんとねっころがった。そんな私を承太郎は足で退けて、私の隣にドカッと座る。
なにすんだよお〜と承太郎の顔をベチっと叩こうとするが、難無く承太郎にその手をつかまれた。
「あーん。いやーん。ばかーん」
「うるせぇ」
「あだっ」
ふざける私の頭をかなり優しく叩いた後、ねっころがっている私のお腹の上に承太郎が頭を乗せてきた。重い。
重いよーどけてーと承太郎に訴えていたが、しばらくするとスースーという寝息が聞こえてきた。どうやら寝てしまったようだ。
…まー、いっか。と乗せられた承太郎の頭をそのままに、私も眠ることにした。 きっとスイカを切ってきてくれたホリィさんに起こされるまで、私と承太郎は寝続けるだろう。
海に行くよりプールに行くより、この時間がずっと続けばいいと思った
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