ジョースターさんに連れられて、たどり着いた先は、大きな屋敷だった。かなりお金がかかっているであろう屋敷を見て、あんぐりと口を開く。割と家から近い場所だが、こんな家あっただろうか?
「………でかい…」
「ホリィ〜っ!帰ったぞ〜!ホラ、ナマエも遠慮せんと上がらんか」
「あ、ハイ。お邪魔します」
そろそろと靴を脱いで並べていると、奥から女の人が出てきた。彼女がホリィさんとやらだろうか?
「パパお帰り〜!ホリィじゃなくて聖子って呼んでって言ったでしょぉ?」
「どうも言いにくくてな。スマンスマン」
「も〜!で、そちらの方は?」
話しをこちらに振られるが、現在の状況を考えると私からでは説明し辛い。チラリとジョースターさんを見ると、少し冷や汗をかきながら「任せろ」というようなアイコンタクトを飛ばしてきた。
「う……うむ。えーと………、こちらのお嬢ちゃんは日本のエクソシストらしくてな!承太郎の悪霊を取り払ってもらうために雇ったのじゃ!」
な…………なんだって!? 驚愕の表情を浮かべた私を見て、ジョースターさんは目線を反らし口笛を吹きはじめた。な、何をしたいんだこの人は。
というか、悪霊を取り払う?で、できるわけないでしょうに!しがない一般人ですよ私は!というか、なんでそんな微妙なのをチョイスしたの?わけがわからないよ!
「なーんだ!そうだったのね!息子をよろしくっ」
「は、ハイ…」
何故かジョースターさんの話しを信じたホリィさんに、ぎゅっと手を両手で握って、大きいキラキラした瞳をこちらに向けられてしまえば私には断ることができなかった。流れにのまれたともいう。 と、こんな感じで若干パニックになっている私をよそに話しはちゃくちゃくと進んでしまった。どうしてこうなったし。
そして現在、ホリィさんとジョースターさん、そしてモハメド・アヴドゥルさんという方と一緒に車に乗り、ホリィさんの息子さんが居るらしい留置所に着いた所だ。息子さん一体何したの……。というか何この居づらいメンツ………。
「……あれっ?」
「どうかしたか?」
「あっ…な、なんでもないです。大丈夫です」
そうか。と言って前を向いたアヴドゥルさんの後ろで考える。
犬…………どこいった?
《 》
|