それは期末試験が近づいた今日この頃。私は政治経済の教科書と赤い下敷きを手に、最寄りから電車に飛び乗った。緑色のマーカーの箇所を隠しながら必死に覚える。 また赤点取るわけにはいかないのよ。 ふと、前を見ると男子高校生が2人、端っこに座っていた。背の大きな緑色の紙の美少年と、はたまた明るそうなじゃにーずさんに居そうなイケメンさんだ。緑色の美少年さん(眼鏡をかけているから、眼鏡さんと呼ばせていただく)の手には、英語のプリントが。 私と同じように、緑色のマーカーが引いてある。 やっぱり、他校もテスト近いんだ。 「しーんちゃん…やべぇ全くわからねぇ…」 「…はぁ、見るか?」 「見る!」 イケメンさんは目を輝かせて眼鏡さんを見た。ここまでは良かったのだ、ここまでは。 (…あ、あり!?) イケメンさん、眼鏡さんの肩に頭をのせてみている。何を?英語のプリントを。それって覗き込めばすむ話じゃないのでしょうか。 あと、眼鏡さん、全く動じる事無く英語のプリントを淡々と見ている。 あれ、最近の男子高校生は凄く…密着するのかな、うん。 と、思っていた時。 「…この曲いいな」 「でっしょー!?」 (んんんん!!?) 眼鏡さんとイケメンさん、イヤホンをシェアして音楽を聴いていらした。 これは駄目だ、確か友人Aが喜ぶ、おホモだちってやつだ。きっとそうだ。 よく見れば、オーラがピンク色だし。 とりあえず私は、ピンク色のオーラに気を取られながらも政治経済の教科書に再び目を通す事にした。
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