多分、追いかけられてた。 なんていうか…ザワザワして落ち着かなかったの。体が。 立ち止まっちゃいけない、捕まっちゃいけないって、思い出してみると、そんなことを考えてたのかもね。 怖かった…っていうのかな? 次に気が付いた時には、家の中で寝てたんだよ。君の家かな。 白い布でぐるぐる巻きにされててさ…邪魔だから解いちゃったけどね。 ――ああ、包帯っていうんだ。 そんなに怪我してたんだ…知らなかった。 不思議だね、治っちゃったみたいだね。 他人事みたい? だって、知らないんだもの。何にも。 そういえば、何に追われてたんだろう。わたし。 ***** フィオのプロローグ的な。 『君』はレグナ。 |