はいはい、照美様照美様、今日も大変うつくしゅう御座いますね。あぁ、当然のことだよ。…うん、だからもう解放しても貰ってもいいかな。



「照美様と話すなんて夢のまた夢だよ」なんて言われるけれど、友人よ聞いて欲しい。私が絡んでるんじゃない。私が絡まれてるんだ。能動じゃないの。受動。受け身。あーゆーおけー?

ていうか照美様、毎日毎日こんなそばかす女に構うなんて相当暇なんですね。神様ってやっぱり勝手に崇められてるだけじゃないですか。ろくな仕事してないじゃないですか。だって僕は神だからなんて言われても答えになんてなってませんから。苦しい言い訳にしか聞こえませんからね。

大体、美の神アフロディを名乗るなら私のそばかすくらい消して下さったっていいじゃないですか。こんなの照美様からしたら消しゴムのカス払うようなものじゃないですか。私にとってこれは結構なコンプレックスなんですよ。そばかすっなんてっきっにっしっないわっなんて言って絶対気にしてますからね。鏡とか見たくないですし、そもそも見る気すらないですからね。黒子だって出来やすいみたいで、この前なんか友人に数えられたくらいなんですから。片腕に20個ですよ片腕ににじゅっこ。ちょっと多すぎやしませんか。対する照美様なんてそばかすのその字も知らないようなお美しいお肌ですもんね。くっそ、爆発しろ。

そもそも神様って決して平等に接してなんかいないじゃないですか。なのに人は皆平等だなんて、馬鹿げてるじゃないですか。ていうか馬鹿でしょう。もう私神様なんて信じない!まあ、元々そんなに信じてなんかなかったけど!



そう言うと照美くんはちょっと寂しそうな顔をして、それからそれはまあ綺麗な顔で笑うんです。



「神にだって好き嫌いとか得意不得意だってあるものだよ。…それに、」
「それに?」
「…僕はそのままでもかわいいと思うな」



なんて言うから思わずぼーっとして見惚れてしまいそうになったけど、その後すぐに僕より美しいものなんてこの世に存在しないけどねとか、僕に不得意なものなんてないけどねとかなんとか言って、いつも通り髪の毛を靡かせやがったのでやっぱり私は爆発してほしいと切実に思いましたまる。




拝啓、自称神様へ
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