授業中、窓から見えるのはひたすらに青い青。
放課後、グラウンドに見えるのはきらきらと風に靡いて輝く青。


「風丸ってさ、空に溶けちゃいそうだよね」


何気なく口から出た私の言葉にその青は笑う。


「そんなわけないだろ。ななしは面白いな」


そうだね、そんなわけないね。
釣られるように私も笑った。



***



今年も夏がやってきて、茹だる様な暑さの中、雷門サッカー部の子達は今日も練習に励んでいる。
緑のフィールドの上をモノクロのサッカーボールを追いかけて、黄色と青のユニフォームが端から端まで駆け回る。
声を掛け合って、真剣で、真っ直ぐで、それでいて楽しそうで。
ふと視界の端にあの青が映った気がして、でもそんなことは決してなくて、少しだけ切なくなる自分にまた嫌気がさす。
ぐるぐると渦巻く感情から逃げ出すように私は窓に背を向けた。




空が遠くて憎い
(今、ここで君が抱きしめてくれたら寂しさなんて吹き飛ぶのに)
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