「外でいただくお茶もいいものですね」
「アサミ様にお出しするような上等なものでなく恐縮ですが…」
「いいえ。元は私のわがままに付き合っていただいているのですから、利休様はお気になさらないでください」
「お気遣い、ありがとうございます」
「ふふふ。松葉の香りがまた風情があって…更に美味しさが引き立ちますね」
「そう言って頂けると、茶人冥利に尽きます」
「…あ、お茶と言えば、佐吉君が淹れてくれるお茶も美味しいんですよ」
「三成様が?」
「ふふふ。あんまり似合わないですよね」
「はっ、いやっ、そんなつもりでは…」
「いいんですよ。このお茶会自体、佐吉君には秘密ですから」
「は、はあ…。でも、三成様が…。確かに、あまりそう言った印象はないお方ですね」
「あの、普段は荒々しい佐吉君も、お茶を淹れてくれる時は手つきがとっても繊細で…。そういうのが見られる所も含めて、佐吉君とのお茶の時間は楽しいですよ」
「なるほど…。三成様にも、そのような一面があるのですか…」
「ええ。一緒になごんでいると、自然な笑みも見せてくれますよ」
「三成様が…なごんで…自然な笑みを……あまり、想像がつきませんね」
「ふふふ。私にとっては、そういうときも含めて佐吉君の自然体だと思っているんですけどね。…確かに、あんまり外では見られないかも」
「昔からお隣にいらっしゃったアサミ様の前では、三成様も自然なお気持ちであれるのかもしれませんね」
「…えへへ。そうだったらうれしいなあ」
柳は緑花は紅