別冊ネタ帳。

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東堂先輩と卒業


「名無野ちゃああん!」
「うわっ汚なっ!抱きつくならせめて涙とか鼻水とか拭いてからにしてください!」
「うわああん卒業式だぞ泣かずにいられるかああああ」
「だからって泣きすぎだ馬鹿東堂!私はまだこの制服使うんですから汚さないでくださいよ!!」
「というか、冷静すぎるぞ名無野ちゃん…ぐすっ」
「別に自分が卒業するわけでもないのに騒ぐ必要あるんですか。まあ自分の卒業式でも騒ぐつもりはありませんが」
「だって三年はもう明日からいないのだぞ!?つまりオレだっていない!会えなくなるではないかああ」
「面倒臭い女子かアンタは」
「さ、3年が…オレが、卒業しても、寂しくないのか…?」
「はい」
「なッなんだとう!?」
「あ、でも」
「でも?」
「新開先輩や荒北先輩、福富先輩が卒業するのはちょっと寂しいです。自転車部の部員でもない私にも、とても良くしていただきましたし」
「何ィイイ!?オレは!?なあオレは!?」
「うるせえ黙れよデコッパチ」
「デコ…っ!?」
「アンタ、自分の立場分かってます?」
「た、立場…?」
「先輩後輩である前に、誰の彼氏なんですか」
「そ…っれは、勿論君の…名無野ちゃんの彼氏に決まっているだろう!!浮気などもっての外だ!!」
「そういうことですよ」
「え?」
「新開先輩たちには、卒業して会えなくなったら、疎遠になってしまいます。でも、東堂先輩は…私の彼氏でしょう?彼氏が彼女を放っておくんですか?学校で会えないなら、会いに来ればいいじゃないですか。そんなことも思い付かないのかよ、この低脳野郎」
「………名無野、ちゃ…うわああん会いに行く、会いに行くぞ名無野ちゃあぁぁあんうぇえあああ」
「うわああだから泣くなよ馬鹿!!汚い!!抱きつくな!!」
「君がそんなふうに、思っていてくれたなんて、嬉しくてぇえ…!!」
「はいはい、だったら今はさっさと帰ってください。私もこのあと予定ありますし」
「う、うむ、取り乱してすまなかった…」
「泣き止めばよし、です」
「じゃあ、名無野ちゃん。また、改めて会いに来るからな!」
「えぇ」
「待っていてくれよ!」
「待つ気がないならあんなこと言いません」
「ハッハッハ確かにそうだな!ではな、名無野ちゃん!」
「また後程、東堂先輩」

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