別冊ネタ帳。

HOME > MAIN

☆悠竒さんより!(石田軍)※死ネタ


「ああ、もう!」
突然そう言ってばねじかけのように立ち上がった左近に、隣にいた吉継は思わず少し後ずさった。
「やっぱり俺、あいつに復讐しに行きます」
三成討死の伝令から、何度同じ言葉が繰り返されただろうか。口を開けば殺す殺すと言っていた報告直後より、時がたった今の方が目に映る決意の炎が熱い。
吉継が前にすっと回り込むと、案外すんなりと足を止めた。心は前に前に復讐へと向かっているのかもしれないが、力ずくでどかす気はないらしい。
「そこをどいてください、刑部さん」
いらいらした雰囲気を全身に纏いながらも、目前の見方に危害を加えないよう、左近は掌に爪をたてた。動き出してしまいそうな足もぐっと力を込めて耐える。
「主が奴をたたいたところで、三成は帰って来ぬ」
自らの感情も抑えて、なだめすかすようにそう言った。その目が威圧感を放っていて一瞬ひるみはしたものの、ここで簡単にそうですかとひけるほど左近の決意は薄弱ではない。
「それでも!」
くい込んだ爪の先で赤がにじみ、すでにその爪を染めようとしていた。
「それでも俺は生き返るんですよ!!どいてください刑部さん!」
泣きはらした痛々しい目で睨みつけ、今にも突き飛ばしそうな勢いで叫ぶ。
「落ち着け」
「言われなくても充分落ち着いてますって!」
一つ深くため息をついて、迷うように左近から視線を外した。その反応に戸惑いつつ視線を追う左近に、吉継は弱々しくも効果のある追撃をくらわす。
「我が落ち着かぬうちに、主が落ち着くわけがなかろ」
――この虚しさは、主が落ち着いたあとも我に巣食っているやも知れぬが
「刑部さん…」
ひと雫、頬をつたってしまえば続くのを止めるのは容易ではない。込めていた力も刺々しい雰囲気もぷつりと切れて、泣き崩れた。
「だって、三成様、三成様が」
どこから溢れてくるのかわからないほど涙を流す左近を赤子のようだと思いながらも、吉継は少し羨ましく思った。


−−−−−−−−−−


リア友・悠竒さんより素敵なシリアス石田軍小説いただきましtなんだコレうおおおおお!!(錯乱)
もらったとたん、わりとガチ目に涙腺が決壊しました、どうしてくれるんですか←
日々、豊臣軍可愛いよだの、荒木荘美味しいよだの、くだらない会話に付き合ってくれる
悠竒さんに、調子に乗っていろいろ唆した甲斐がありました(^ω^≡^ω^)
普段私から語るばかりで、そういうことを自分からは語ってくれないだけに、余計、もう、私のライフはもう0よ…!(感動的な意味で)
上司大好きな石田軍、本当にいいと思います…!


素敵な小説をありがとうございました!
お礼と言ってはなんですが、ちゃっかり戴いた小説を元に漫画を描かせていただいたので、よろしければご覧くださいませ…!

Prev |Next
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -