別冊ネタ帳。

HOME > MAIN

☆『ちょっとだけ、わがまま』悠李さんより!(三成×アサミ)


「はぁ…」
今日何度目かのため息が出て、だめだなぁって思いながら机に伏した。壁にかかった時計の音だけがしてる部屋が、ちょっと広く感じる。
三成君が忙しいのっていつまでなんだろ。話せてなくて寂しいなんてわがままだよね…。
携帯を開いて三成くんの番号までいってみる。閉じる。もう一回開く。 左近君は電話くらいなら大丈夫じゃないか、なんて言ってたけど、忙しい時の電話ってすごく迷惑だし、やることあるなら日曜日ってまとめてできるから邪魔されたくないだろうし。…はぁ。
「…って、待ってこれかけちゃってる…!?」
開いたままだったせいで通話ボタン押しちゃったみたい。あ、でも三成君て普段からマナーモードだったはずだしきっと訂正メールしとけば大丈夫…
『…姫様?』
「わわわわわ三成君!?」
なんで出ちゃうの!?どうしよう…。
『電話とは珍しいですね。どうかなされましたか』
「え、えっとえっと、あの」
『姫様?』
「新しくできたケーキ屋さんの、タルトが美味しいって言うから、その」
何を言っていいのか困ってこの前耳に入った話をそのまま話す。けど、だから忙しいんだってば……!
『姫様はご自宅にいらっしゃいますか』
「え?あ、うん。今日は出かける予定ないけど…?」
『では、少々お待ちください』
「…ん?三成君?」
切れた。「お待ちください」って、なにかしてからもう一回かけてくれるってことかな?だったら悪いから、電話ごめんねって送ったほうがいいかな?…でも、久しぶりだと電話でも嬉しいからもう一回お話出来るならしたいな。なんて、自分に甘いね。
ピンポーン 「はーい」 誰だろうと思いながら早足で行って玄関を開けると
「三成君!?」
ケーキ屋の袋を持った三成君が立っていた。
「姫様が食べたそうな口ぶりでしたので…。突然の訪問、お許しください」
「え、え、そんな、気にしなくてよかったのに」
ほんとは食べたいんじゃなくて話したかっただけだなんてもう言えなくなっちゃったなぁ。
「いえ、こちらこそ珍しく姫様から着信がございましたので、あのままの勢いで動いてしまって」
少し困ったようなこれは三成君も嬉しかったと思っていい、のかな?そう気づいたらちょっと照れるくらいなのに、三成君が今にも帰っちゃいそうで寂しくて。
「じゃあ、ひとつわがまま言ってもいい?」
「なんでしょうか」
「それ、三成君と食べたい」
言った途端に顔が熱くなって、タルトの箱に目を落とす。考えるような間をはさんで
「私などでよろしければ」
嬉しくて見上げたら、少し朱のまじった三成君と目があった。


−−−−−−−−−−


そうか、ここが天国か(真顔)
先日悠李さんにネタだけ放り投げて無茶ぶりしていたところ、素敵な小説になって帰ってきました。
うおおおおなんだコレもう本当ほのぼの無自覚バカップルなんだなお前ら可愛い
この両片思い?お互い好きなんだろ、もっと素直になれよ、お互い我儘くらい言っていいんだよ!みたいな微妙な関係性が実にうちの三アサちゃんらしくて美味しいですmgmg
すでにツイッター上でリアルタイムで気持ち悪いテンションの反応を返してしまったので、この辺にしておきます。
本当にありがとうございましたーーー!

Prev |Next
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -