別冊ネタ帳。

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☆『春はまだ遠い』悠月さんより!(ジョジョ夢主共演)


※世界は悠月様宅の混部家族パロ仲良し星一家
※アサミがDIO屋敷の住み込みメイドさん
※呼び方・呼ばれ方は独断と偏見






学校が終わって綺麗にラッピングしたマフィンの形を崩さない様鞄に仕舞い尚且つ鞄の中でぐちゃぐちゃにならない様に大事に腕の中で抱え走って校門を出る
一旦家に帰るまでの時間がもったいなく感じ、家に立ち寄ることなくそのままお隣の家の玄関まで走る
走ったせいで荒れる息を整え冷たい空気を大きく吸い込んで深呼吸してから玄関のチャイムを鳴らした



『こんにちは!』

「おやジョアンおかえりなさい」

『ただいまテレンス!あれ、アサミお姉ちゃんは?』

「アサミなら二階の自室にいますよ」

『あれ、いつもならテレンスとお出迎えしてくれるのに珍しいね…』

「もうすぐ受験が近いようで勉強しているんですよ」

『え…じゃあ私アサミお姉ちゃんのところに行ったら邪魔になるかなぁ?どうしよう…』


今日アサミお姉ちゃんに会いに来た目的は学校の調理実習でマフィンを作ったのだ
あまりにも上手にできたのでお兄ちゃんたちの分とは別にアサミお姉ちゃんにも、と思って作ったのだがお姉ちゃんが勉強しているのであれば邪魔はできない。
どうしようか一人唸っているとテレンスは何か思いついたのかキッチンに入っていった、慌てて私もその後を追う
DIO兄ちゃんのお家のキッチンはテレンスの領域と言っても過言ではない
前に一度DIOお兄ちゃんがキッチンに入って常にテレンスが綺麗にしているシンクやコンロ等を汚してそれを見たテレンスに有無を言わさずあのDIOお兄ちゃんが正座で座らされて怒られていたのを私とアサミお姉ちゃん、ジョルノ兄やディエゴくんが笑っていたのを思い出す。


『テレンス?』

「ジョアン、アサミに紅茶を持っていってあげてください」

『えっ?』

「休憩と言えば彼女もジョアンの相手をしてくれますよ」

『そっか!ありがとうテレンス!』

「階段には気をつけてゆっくり登るんですよ」

『はーい!』


淹れたてで美味しそうな匂いがする紅茶が入ったカップをトレーに乗せてもらい私はそれをテレンスから受け取ってキッチンを出る、ちゃんと私の分のカップもあるようだ
走らない様に、でも早歩きで廊下を歩く。
もちろん階段でこけない様に一歩一歩足元を注意して歩く
階段を上りきって…確かアサミお姉ちゃんの部屋はDIO兄ちゃんの隣だから一番左奥だ
ブランドー家は大きい上に部屋もたくさんあるので私も部屋は最近になってやっと覚えた
アサミお姉ちゃん喜んでくれるかなぁと内心ウキウキしつつドアをノックしようとして私はドアの前で止まった


『しまった…両手塞がっている』


持ってきた所まではよかったのだがどうやってドアをノックするか全く持って考えてはいなかった、どうしよう。
普段ならドアの前に立ち大声でジョセフ兄の名前を呼ぶのだがお勉強中のアサミお姉ちゃんの邪魔になったら嫌だなぁ困ったこうなったら額を浸かってドアをノックしようか…なんて考えていると私の目の前のドアは開いた。


「ジョアンちゃん?あれ、どうしたの?」

『アサミお姉ちゃん!』

「あ、もしかしてその紅茶私に持ってきてくれたの?」

『う、うん!テレンスがね持っていってって…それで、それでね?一緒にお話しできたらなぁ…なんて』

「ふふっ、私もちょうど休憩しようかなって思っていたし大丈夫だよ!ほら、廊下は冷えるでしょう?私の部屋…といってもDIOから借りている部屋だけど、入って?ジョアンちゃん」

『うん!お邪魔します』


私がドアの前でうんうんと唸っていると運よくリビングに降りようとしていたアサミお姉ちゃんがドアを開けてくれた
私が手に持っているトレーに気がついたのかふわりと優しい笑みを浮かべて部屋の中に入れてくれた
少し変に緊張してしまったけど結果オーライと言うことで良しとしておこう、嬉しくなって私も釣られて笑った


「ジョアンちゃんついさっき帰って来たの?制服のままだよ?」

『えへへ、アサミお姉ちゃんに渡したいものがあってお家に帰る前にそのままDIO兄ちゃんのお屋敷に来ちゃったんだ』

「私に渡したいもの?なんだろう、気になるなぁ」

『えっとね!今日調理実習でマフィンを作ったの!それでね、上手に焼けたからアサミお姉ちゃんにも食べてほしいなって思って』

「私に?ジョアンちゃんありがとう!でも私が承太郎くんより先に貰っちゃっても良いの?」

『大丈夫だよ!お兄ちゃんたちの分は他であるから!それはアサミお姉ちゃんの分だから!それにテレンスがアサミお姉ちゃんお勉強頑張ってるからなにかしてあげれたらなって思って…』

「ジョアンちゃん…ありがとう!私頑張るからね!」

『うん!』

「早速食べてもいいかな?」

『大丈夫だよ!あ、でも…美味しくなかったらごめんね?』


アサミお姉ちゃんに私が作ったマフィンも難なく渡せ今日のミッション成功で内心ガッツポーズ
勉強を頑張っているアサミお姉ちゃんに少しでもリラックスして欲しかったのとあわよくば私の勉強も教えてほしいなぁ、なんて想いを胸に秘めてマフィンを咀嚼するお姉ちゃんを見つめる
味見はしたけれどやっぱり不安でちょっぴりドキドキする。


「うん!美味しいよジョアンちゃん!ありがとう!」

『ほんとに?不味くない?』

「本当だよ!ジョアンちゃんのマフィンのおかげで私この後も勉強頑張れそうだよ?ありがとうね、一段落落ち着いたらまた一緒にお菓子作ろうねジョアンちゃん」

『ほんと?アサミお姉ちゃんとお菓子作るの楽しみ!』

「それじゃあ私も頑張らなくちゃ!」

『がんばってねアサミお姉ちゃん!私でよければお勉強の休憩に付き合うから!』

「ありがとうジョアンちゃん」


アサミお姉ちゃんの嬉しそうな笑顔を見て私も嬉しくなって笑顔になる
随分と話しこんでいたのかポットに入っていた紅茶は温くなり日は傾きもう直に夜が来ようとしていた
アサミお姉ちゃんとの会話が面白くて楽しくてついつい時間なんて忘れてしまっていたようだ
外の景色を見てアサミお姉ちゃんが心配そうに私に声をかけてくれた


「ジョアンちゃん、まだ家に帰らなくて大丈夫?承太郎くんや仗助くん心配しないかなぁ?」

『お家が隣だし大丈夫だよ…たぶん』

「でも何も言わずにここに来たんでしょう?それなら帰らなきゃ」

『うん、でももっとアサミお姉ちゃんとお話したいもん…』

「うーん…じゃぁこうしよう?また明日も私お家にいるからその時にお話しよう?」

『でも勉強は良いの?』

「勉強詰めじゃ私も疲れちゃうよ、息抜きも必要だし…ね!」

『うん!なら明日も学校帰りにアサミお姉ちゃんに会いに来るね!』

「ちゃんとジョナサンさんにも言ってくるんだよ?」

『はぁい!』


私のちょっとばかり期待して言ったわがままもアサミお姉ちゃんは笑顔で応えてくれてちょっと申し訳なくなったけどその分嬉しくて立ちあがってアサミお姉ちゃんに抱きついた
手を繋いで部屋を出て階段を下りると玄関にはDIO兄ちゃんと承兄が睨み合っていた
私とアサミお姉ちゃんが顔を見合わせて苦笑すると睨み合っていた二人もこっちに気がついたのか近付いて…近付いて抱き締められる。


「わぁ!?ちょ、ちょっとDIO!?」

「アサミ!あの聞き分けのない承太郎には絶対に近づくんじゃあないぞ!」

『承兄?どうしたの?』

「ジョアン…DIOには絶対に近づくなよ」

「うーん…とりあえずDIO落ち着いて?ねっ?」

「うりぃ…」

『ダメだよ承兄そんな事言ったら!喧嘩する承兄嫌いだよ!』

「…ちっ」

「ジョアン来ていたのだな!残念ながら今日は構ってはあげられぬがまた今度来るといい、お前の大好きなジェラートを用意しておいてやろう歓迎しようではないか、なぁアサミ?」

「うん!承太郎くんもジョアンちゃんもまたね?」

「あぁ、そこの黄色いのがいない時に邪魔するぜアサミ」

『たくさんジェラート食べれるの楽しみにしてるね!アサミお姉ちゃんお勉強がんばってね!』


承兄に抱っこされたまま玄関へ連れて行かれ私はアサミお姉ちゃんの方を向いて手を振る
アサミお姉ちゃんはDIO兄ちゃんに抱きしめられながら手を振ってくれた
明日からの楽しみも増えてまた毎日が楽しくなりそう、とわくわくしながら私はお家に帰った。




春 は ま だ 遠 い 




(アサミちゃんと話すのは良いけどあんまり勉強の邪魔しちゃダメだよ?)
(分かってるよジョナ兄!)
(DIOには気を付けろよ〜)
(大丈夫だよ!)
(大丈夫じゃないから言ってるんだろ)


(今度は私も話しに混ぜてはくれないか?アサミ…)
(女の子同士の会話にDIOが入るのは…ちょっと…ね?)
(うりぃ…)



―――――――――――――



旧サイトでの相互記念に悠月さんよりいただきました!
か…可愛い、夢主ちゃんたちが可愛すぎる!!(ビタンゴロンガッシャーン)
そりゃあジョアンちゃんから手作りマフィンいただいたからには受験勉強にも身が入りますよね…!
むしろ私が貰いに行きたいくらいです!!!!←
受験が終わった後に、二人でほのぼのとお菓子作りをするところが目に浮かんで、ニヤケがとまりません…!


「あ、ほっぺたにクリームついてるよ、ジョアンちゃん」
「え、ほんとに?どこどこー?」
「ああ、そっちじゃなくて…。はい、とれたよー」
「ありがとーアサミお姉ちゃん!」
(((何だこの子たち可愛い…)))


……なんて、遠くから見つめている家族の皆さん&お隣さんに交じって、私も熱い視線を送りたいです(力説)


素敵な小説をありがとうございました!
何卒今後ともよろしくお願い致します!

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