別冊ネタ帳。

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☆『Facendo compere』天夏さんより!(ジョジョ夢主共演)


カタカタとキーボードを打つ音が室内に響く。
パソコンに入力し終わった分の書類をどかして未入力分の書類を取り出す。
まだこんなにあるのか・・・。
ざっと見積もって辞典くらいの厚さがある。
はあ、とため息をついて目頭を抑えた。
休むわけにいかないから少し止めていた手を再び動かし始める。
・・・?足音がうるさいな。
この足音は。


バンッ


「リジー!」
「・・・レイナか」
「ショッピングに行こう!」
「断る」


レイナの誘いを一刀両断する。
間を開けずに断られたのが気に入らないのかレイナはムッとふくれっ面になった。
私もいきたいよ、ショッピング。
だけどこの仕事の量を見ればわかるとおり休んでられないんだ。
わかってくれ。


「行くならプロシュートかメローネでも誘え。彼奴等確か今日は休暇だっただろう。それに私なんかよりも服なんかに詳しいだろうしな」
「リジーだって今日はお休みだったでしょ」
「・・・そうかもしれないけどまだ仕事が残ってるんだ」
「そんなの普段やってない皆にやらせればいいじゃない!私はリジーとショッピングに行きたいの!」
「だが」
「いいから来る!」
「おいっ」


ぐっと腕を引っ張られ、部屋から強制的に出された。
相変わらずレイナは怪力だ・・・。
そのまま腕を引かれてさっきまでいた部屋とは別に私の部屋に連れて行かれる。
クローゼットから私服を何着か取り出され、無言で手渡される。
仕方がないかと諦めて仕事服から私服へと着替えた。
さっきまで不機嫌そうだったのに、着替えたとたん笑顔になるんだから単純だなぁ。
可愛いけどさ。


「じゃー行こっか!」
「はいはい・・・」
「あれ、リーダーとレイナどっか出かけるの?」
「うん、ショッピングにね!だからリジーの仕事部屋にある書類、私達が帰ってくるまでに片付けてねって、みんなに言ってくれない?イルちゃん」
「ええ!?」


室内にある鏡からイルーゾォが現れた。
まだ残ってる書類のことを頼んだらめちゃくちゃいそうな顔をされた。
・・・あれ、お前らがやってなかった分なんだけど。


「皆がやってなかった分の書類なんだから当たり前。特にプロシュートとかね!このまま無理させたらリジー倒れちゃう」
「・・・それはやだなぁ」
「レイナ、気づいてたのか?」
「まぁね、プロシュートとかメローネとか、仕事しなさそうだもん」


気づいてくれたことに感動してしまい、顔を綻ばせる。
そしたらレイナが可愛いと抱きついてきた。
いつもは咎めるけど今日はいいかな。


「わかった、俺から言っとくよ。やらないとレイナが暴れるしリーダーが倒れるってさ」
「うんうん、イルちゃんわかってるー!そんじゃ、お土産においしいジェラート買ってくるね!」
「俺、レモン味がいい」
「わかった。・・・悪いな、イルーゾォ」
「いいって、別に元々やらなきゃいけないのは彼奴等なんだし」
「そうそう。それじゃ、いってきまーす!」


再び腕を引っ張られる。
久しぶりの昼間の外はとっても気持ちよかった。
レイナに感謝しないと。


「レイナ」
「なにー、リジー」
「Grazie」
「ふふふー、どういたしまして!」


たまにはこういう日も悪くないなぁ。



Facendo compere
(二人でショッピング)




(あ、これリジーに似合いそう!)
(そうか?)
(絶対似合うって!)


(俺達総出でやってもこの量終わる気しねぇんだけど)
(それをリジーはやってたんだからすごいよなぁ)
(・・・主に俺等のせいだけどな)
(レイナ、笑顔だったけど相当怒ってたぜ、あれ)
(・・・・・・さっさとやるか)
(そうだな)




―――――――――――




旧サイトでの相互記念に天夏さんからいただきました!
ぐあああどうしてこんな美味しいシチュエーションが思いつくのですか…!
二人でショッピングとか、もう、ふだん殺伐としてるはずの暗チでの癒しのひとときですね!癒される…!


「わーいリジーとデート!」
「ほら、そんなにはしゃぐと転ぶぞ」
「心配してくれてるの?うふふ、リジー優しい!だぁいすき!」
「っと、いきなり抱きついたら危ないだろう?」


…なんちゃって。
かっこよくて可愛いリジーさんに、必要以上にベタベタしに行くレイナを受信しました。
こっそりカメラを回しながら見守りたいですね、ふふふ…
…誘拐ならいつでも大歓迎ですよ☆←
素敵な小説をありがとうございました!

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