2013/9/24 小話(乱受け)
・ついった小話まとめ
・女体化も成長も年齢逆転っぽいのもなんでもありだよ!
・藤内→乱、平太乱×2、誰か×乱♀+後輩、滝乱、年齢逆転文乱
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・藤内→乱
格好悪いし、上手くできない。乱太郎の前では余裕のある自分でいたいのに、それもできない。とにかく、必死だ。話題を探すのも、何を言おうか何をしようか考えるのも、歩くのも呼吸をするのもただではいかない。
しかもそれは、乱太郎の預かり知らぬ場所で起こっている。不毛としか言いようがない。
けれど、もっと上手くやりたいとは思っても、諦めたいとは思わない。振り向いてもらうまではと、恋心が叫ぶのだ。
【水のなかでもがくようなみっともない恋心】
・平太乱
「あっ」
小さく声を上げて、彼は顔を上げた。ひゅうるりと鳥が鳴くだけの空に耳を澄ませて、遠くに目をやる。皆がはしゃいで遊び回るこどもたちのの中で、彼の姿は異様であったが、誰も彼を見咎めたりはしなかった。
ふ、と。彼は小さく笑った。それはとても愛おしげな笑みだった。彼が空に耳を澄ませた理由も、遠くに目をやった理由も、愛おしむような笑みを浮かべた理由も。その三秒後に、答えは出る。
【いちばんに君に気付く】
・平太乱
「ほら、」
おいで、と。平太は乱太郎が飛び込んでいくのに丁度良い形に腕を広げる。
ああ、そんなのずるい。そんな風にされたら、すがってしまいたくなる。平太が浮かべる、気弱なようでいてひどく優しい笑顔と、包み込むような声と、安心が保障されている腕の中と、ぴったりくる体温と。
そんな要素が揃っていて、なぜ走り寄らずにいられるだろうか。いや、行っちゃうよね!そんなことを考えながら、乱太郎はその広い胸へとダイブした。
【「ほら、おいで。」】
・誰か×乱♀+後輩
乱太郎先輩は蝶のようだ、と彼は思っていた。特にその目。深い常磐色をした目をひらひらと瞬かせて、乱太郎は常に何かを探している。
落ち着きがないとか、そういうことではない。蜜を求める蝶のように、彼女は求めているのだ。
(けれど、何を?)
(先輩は何を求めているのだろう)
彼は知らない。その瞳が求める存在を。それが人であり、彼女の想いが向かう者であることを。
【誰を追いかけるの】
・滝乱
(あの月をとってきてお前にやろう。私ならばそれができるからな。ありがとうございます。でも、先輩が月をとりに行っている間会えないのは寂しいので、わたしの隣にいてほしいです。お前がそう言うなら仕方ないな!)
そんな会話を、月の兎がやれやれと眺めていたことを二人は知らない。
【月】
・文乱
まだ一年生なのに目の下に隈なんか作って。腕の中で安らかな寝息を立てる文次郎に、乱太郎はくすりと笑った。苦いもののいくらか混じったそれは、しかしどこか優しい。
「男前なのに勿体ないよ、文次郎」
つん、と軽く頬を突く。ううん、と寝息を漏らして擦り寄ってきた文次郎に、乱太郎はくすくすと笑い声を立てた。誰に聞いても寝付きが悪いと表現される文次郎。その、ゆりかごになった気がした。
【安心してねむれるかい】
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