2011/5/21 小話(三治乱)



・小話です
・三治乱


 いちばんの人間だけが見られる景色があるという。
 それを見たいと思ったのが最初。僕が見ていたのはにばんめの景色ばかりだったから、その「いちばんが見られる景色」がどんなものなのか、乱太郎がいつも何を見ているのかを知りたかったんだ。
 でも、僕は気付いてしまった。
 いちばんの景色は、少しだけ、寂しいものだということに。一等の栄冠は眩しくて、周りからすれば羨ましいし、すごいことだし、尊敬されるに値するものだけれど、線を引かれてしまう。「いちばん」と「その他」の線だ。
 そのことに気付いた僕は、それでも一等を目指すことを止めなかった。乱太郎がいつも見ている景色を、やっぱり見たかったんだ。
 僕がそれを知ることができれば、乱太郎の小さな孤独を分かってあげられるんじゃないかって思ったんだ。どんなに小さな寂しさも哀しさも、乱太郎が意識してないとしても、僕が風と一緒に吹き飛ばしたいって、思うようになったんだ。

【景色/三治乱】


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 確かついったで書いたやつだったような…




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