数年後の私達は、




「クローここさー…寝てる……」

委員会に提出しなくちゃいけない部活の書類を主将であるクロと部室で書くことに。

ほんっと前もってやっとけっていっっつも言ってるのにさぁ…。
しかも結局やるのはマネージャーである私。


「くーろーさーん。起きてくださーい」

やけに静かだと思っていたらまさかの、お昼寝中。

頭を叩いても、ほっぺをつついてみても、起きる気配なし。
こうなるとクロは起きないことを私は長年の付き合いから知っている。

「ハァ…」

ため息を一つ。
まぁ部員が来るまでは寝かせてあげるか、なんて考えちゃう私は優女だな。

「………」

寝顔は可愛いんだよなぁ。猫みたいで。
なんて顔を覗き込んでいたら、パチッと目が開いて、クロと目が合う。

え、

と思った時には遅し。


「っわ」

クロは私の背中に腕を回すと、思いっきり引き寄せた。

「ちょ、クロ」

クロはにやりと笑うと、目の前にある私の唇にちゅ、ちゅ、と触れるだけのちゅー。

それでも私の顔が真っ赤になるのには十分だった。

「……なんなの」

「いやーたまにはなまえに甘えてみようかなと」

二人でくっついて部室で寝てるってどういうこと。


「あんたは甘えるキャラじゃないでしょ」

クロは私の胸に顔を埋めて、子供のように身体をよじる。

「子どもか」

「なまえママぁ」

「きもい」

ぺしんと頭を叩けばクロは、にひ、と笑った。
ほんと悪戯っ子の顔。


「俺らの息子はきっと俺に似てるだろーなー」

「うわーそれは嫌だ」

「数年後、頑張れよなまえ」

「…プロポーズですか」

「そんなとこ」


思わずニヤける。
そしたらクロに「顔真っ赤だな」笑われた。


クロとの日々は、とっても幸せ。

クロも、そう思ってくれていたらいいな。




数年後の私達は、
(どんな風だろうね)





あとがき

にやにや。




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