無自覚バカップル



「なまえー」

「ほーい」

部活の休憩中。国見ちゃんに手招きで呼ばれた。
私は座っている国見ちゃんの元へ。

「なに?」

「暑い」

「…知らんがな」

私も暑い。そりゃ部員達の方が暑いだろうけど、じっとしているのも意外と暑いんだぞ。

でも国見ちゃんは珍しく汗がダラダラしている。
私は持っていた自分のタオルで国見ちゃんの頭を拭いてあげれば、気持ちよさそうに目を瞑っている。

「お疲れ様」

「んー疲れた」

そう言いながら私の肩に頭を乗せてきた。

「汗でベトベトしてるよ?」

「別にいい」

よしよし。頭を撫でてあげよう。

「喉乾いた」

「はい、水」

「飲ませて」

あら、珍しく甘えん坊さん。
よっぽど疲れたのかな。

「口移しで」

「馬鹿か」

水の入ったボトルをおでこにぶつければ、「痛い…」とそこを押さえた。


「ほら、もう休憩終わりだよ」

「えー…」

「頑張ってね、国見ちゃん」

「ん」

私が笑えば、国見ちゃんも珍しく笑ってくれた。



「ねぇ、岩ちゃん今部活中だよね?」

「ああ」

「なんであの二人あんなラブラブしてるの?」

「知るか」

「しかも無自覚だからタチ悪いよね?」

「お前は常にタチ悪いからな?」

「岩ちゃんひどい!!!」




無自覚バカップル
(「国見ちゃんっ!」)





あとがき

ラブラブラブラブしてください。
国見ちゃんは、彼女の前ではデレっとしてそうです。




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