ツンデレのデレは反則です





「ねーねー月島」

隣で音楽を聴きながら、雑誌を見つめる月島に声をかければ無視。

絶対聞こえてるでしょ…。


「つーきーしーまー」

…これが彼女に対する仕打ちなの?
普通彼女が「ねーねー」って言ったら、「ん?どうした?(キラッ)」みたいに返事するもんじゃないの?


「ツッキー」

ちらりとこっちを見て、“バーカ”と口パクで言われた。むっかつく!!!!

「バカって言う方がバカなんだよ!」

はい、スルーですね。


「……蛍くん」

ものっすごい小さな声で呟いたのに、絶対聞こえないと思ったのに。

「なに?」

ニヤニヤとズルい顔で返事をしてきた。

「…なんで聞こえてるのよ!!」

「音楽聞いてないし」

「うそつき!」

「僕、別に音楽聴いてるなんて言ってないケド」

「………」

もうヤダこの人。ズルい。

「ねぇ、もう一回呼びなよ」

「やだ。恥ずかしいもん」

「なまえ」

名前を呼ばれて、ジッと見つめられる。
いつも名前呼びなんてしないのに…!

「け、蛍…くん…」

「ヨクデキマシタ」

珍しく笑って、

頭を撫でられて、




あーあ。月島 蛍は、ズルい人。



ツンデレのデレは反則です
(「月島」「…名前、デショ?」)





あとがき

これからお互い名前呼びになって、部員達から「なんだなんだ!?」とからかわれるのだと思います。




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