バカップル通常運転




「ぐえ」

教室で友達と話していたら、いきなり背中に重いものが乗ってきた。
これは絶対あいつだ。

「国見ちゃーん。重いですよー」


ん、しかもなんか……

「なに!?冷たいんだけど!」

じんわりと冷たくなってくる背中。

「さっき渡り廊下歩いてたら、及川さんに満面の笑みで雪がぶつけられた」

「うわぁ…想像つく」

今日は渡り廊下使わないようにしよう…。というか及川さんに会わないようにしたい。

「ってことでセーター貸して」

「セーターどうしたの」

「ん」

国見ちゃんが指差した方を見れば、セーターは濡れてしまったらしく、ヒーターの近くに干してあった。

「あらら」

「ねー貸して」

「ちょ、くっつかないでよ!濡れる!」

わざとグイグイと背中にくっついてきやがる。

「寒い。セーター」

「無理。私も寒い」

「じゃあこのままで」

国見ちゃんは椅子をとってきて、私の後ろに置き、座ってまた私に抱きついて、背中にくっついてきた。

「えー仕方ないなぁ…」

「あったけー」


私が友達と話を再開しても、国見ちゃんは平然とくっついたまま。
んーなんかぽかぽかしてきたかも。




「見て岩ちゃん、バカップルがいるよ」

「いつも通りだな」

「クラスの人たちも慣れちゃってなんの反応もないんだね」

「だな」


通りかかった及川さん、岩泉さんはやれやれとした表情で去っていきましたとさ。





バカップル通常運転
(クラスの方達はもうなにも感じません)





あとがき

バカップルなお二人でした。



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