「転校生がやってきた!」


朝練も終わり、退屈な朝のSHRが始まる。
今日は昼まで教室授業だし、自然に目覚めるまでずっと寝てるか。

そんなふうに考えていた俺の思考は、たった1人の人物によってまるっきり覆された。


「おし、HR始めるぞー。」

ドアの開く音と、聞き慣れた担任の声。
その直後、教室はざわめきに支配された。

さすがの俺も突っ伏した机から顔を上げる。

そして、俺は目を疑う…。


「既に知ってる人もいると思うが、今日から転校生がこのクラスに入るからな。じゃあ、まずは自己紹介するか。」

「はい!宮城から来ました、白森日和です。前の高校では、女子バレー部のマネージャーをやっていました。中学でもバレーをやっていたので、音駒高校でもバレー部に入ろうと思ってます。えーと…好きな食べ物はもやしです!よろしくお願いします!」

教室が笑い声と拍手に包まれる。
しかし、俺は笑うことも手を叩くことも出来ず、ただ打ち震えていた。

「…?おい、山本ー?見ろよ、あんな美人だぜ。お前、モロタイプそうだけ…、」
「…感動、した。」
「……は?」

「俺は…白森さんと…付き合う!!」

「いや、そりゃ無理だろ。」



恋に落ちた瞬間だった。




つづく


公開:2016/08/20/土


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