布団をあっためる方法


「さむいいいい!」

日和が、悲痛な声を上げた。

俺と同時にベッドに潜り込んでから、まだ1分と経ってないだろう。
でも、日和は寒い寒いと繰り返す。

「ベッド入ってすぐなんだから、寒いのは仕方ないだろ。」

確かに、寒い。
肌触りの良いシーツと、厚手の布団は、まだひんやりと冷えきっている。
その冷えたシーツと冷えた布団の間に入り込めば、そりゃあ寒いに決まってる。
自分達の体温が移って、じんわりと暖かくなっていくには、少し時間がかかるだろう。

当たり前と言えばそれまでだが。
でも、日和の気持ちも分かる。
寒いものは寒いのだ。


縮こまってヒイヒイ言う日和の体を抱きしめる。
日和は驚いて、ピシリと固まった。

「こうしててあげるから、あったまるまで我慢して。」

耳元でそう囁くと、日和は大人しくなった。

密着して分かったけど、日和は可哀想になるくらい震えていた。

するりと日和の腕が俺の背中に回される。
密着度が増した。

「…英。」
「ん。」
「おっきいね。」
「……え?嘘、俺勃ってる…?」
「はぁ!?」

突然の大きな声に、俺は驚いた。
暗闇でわからないけど、俺の胸に顔を埋めていた日和は、多分今俺を見上げて叫んだんだと思う。

「ちっ…ちがっ!おっきいてのは、体がってこと!!」

体?ああ、そういうことか、なんだ。
良かった、俺の息子は、密着して日和を抱きしめただけで起きあがってしまう程の脆弱では無かったようだ。


日和は気を取り直して再び顔を埋めた。
俺もさっきより強く抱きしめる。
それにしても、なんだかまだ暖まらない。

そこで、俺にはあるアイディアが浮かんだ。

日和を押し倒す。

「え?」
「あったまるまで運動すればいいんだよ。」
「う、うんどう…!?」

察した日和は、あわあわと口をぱくぱくさせた。
俺は問答無用で日和の服に手を掛ける。

「あっ!ま、待っ…!ち、ちょっと待ってっ!」
「なんで?」
「や、その…は、恥ずかしい、から…。」
「じゃあ続ける。」
「ちょっとお!待ってって言ったじゃん!」
「待ってあげるとは言ってないけど。」
「う…っ!」

日和は言葉に詰まる。

「もうおっきくなってきちゃったから、諦めて?」

俺がにやりと笑うと、日和はうっ、と小さく声を漏らした。


「今ので体あったかくなった。」
「え、俺はまだ。」
「英ぁ…。」
「ドンマイ。」

あったまるどころか汗をかくような夜が始まる。



fin.


公開:2016/11/07/月


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