体育館は騒めいていた。 ただでさえ今日の音駒のコーチが詩織だということに皆が驚いていたのに。 それを超える状況が今目の前で展開されようとしているのだから。 「…あれ、あかーし大変だ!!!!詩織ちゃんがコートに立ってる!!!!」 「え……?」 「おい月島ー!!!!詩織がビブス付けてる!!!!『は!!!???』 月島がコートの方を見れば、いつもの音駒のセッターの人がおらず、妹である詩織がコートの中で円陣を組んでした。 「チョット何やってんのあいつ『大丈夫だよ月島。』 「鵜飼、コーチ……でもっ!」 「危ないと判断したら猫又監督は絶対に下げるから。…それにあの顔見てみろ。 あんな嬉しそうにしてる妹の邪魔、しないでやれよ。」 「ッ …………、」 「──俺達は血液だ 滞り無く流れろ 酸素を回せ "脳"が 正常に働くために。」 『おーーー!!!!!』 体育館に居る全員が試合を視ていた。 マネージャーである詩織が選手としてコートに立っていたからだ。 ← → back 175/88 |