★10話★


合宿も無事に終わり、来週の日曜日は月島兄妹の誕生日です。

合宿の日、ツッキーに呼び出された俺は誕生日の事を聞かされ、その日からずっと悩んでいるわけです。








「ン〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜………。」


「……あのさ、毎日毎日夜遅くに人ん家着て唸り声上げないでくれない!?」


「だってさあああああああ!いざ考えると何あげていいかわかんねぇじゃん!!!!」


「だったら海くんに聞けばいいじゃん。彼女いるでショ。」


「――――そうじゃん!!!!!!」




やべーなんで身近に手本がいるのに気づけなかったんだ俺!!!!

そして翌朝の昼休み。
飯を食いながら俺は海をジーーーッと見ていた。





「……あのさ、そんな見つめられても困るんだけども。」


「気持ち悪いぞ黒尾。なんだなんだ詩織ちゃんにフラれたか?!」


「はあああ!?極めて順調ですぅぅぅ!フラれてないしフル予定もありませんんんん!!!!」


「じゃーなにさ。なんかあったの?」


「……海はさ、彼女ともう長いんだろ?一通りのイベント系済ませてるよな?」


「まぁ、中学の時からだし。―――あぁわかった。もしかして詩織ちゃん誕生日近いの?」


「そうなんだよーーーー来週の日曜日。」


「はああああ!?なんでそう言う事もっと早くいわねぇの!!みんなでお祝いしなきゃいけねぇじゃんさ!!」


「え!?いや俺一日あいつとデートを『お前だけの詩織ちゃんじゃねぇよ!音駒みんなのマネージャーだからな!!?』


「うぐ………。」


「んーじゃあさ、黒尾は日中にデート。んで、夜は俺達音駒の皆に祝わせてよ。
やっぱ詩織ちゃんにはお世話になってるし、みんなもお祝いしたいだろうし。」






ごもっともだ。
みんな絶対祝いたいだろうよ…そうだよなぁ………。








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