そして夜の自主練。 そこには詩織の姿はなかった。 「あれ。詩織ちゃんいないんですか。」 「あー。研磨の様子みるっつってたから、こないかもしれない。」 「孤爪さんの熱大丈夫なんですか?」 「まー珍しくやる気出すといつも熱でるんだよ。風邪とかじゃなくてやる気が空回ってるだけだから多分大丈夫。」 「っつかさー!俺は詩織ちゃんが試合出てた方が吃驚したんだけど!!!!」 「あー……そうか。赤葦さんと木兎さんにも伝えておきましょう。黒尾さん一人じゃ心配なので『俺のツッキーに対しての信用度低すぎない!?』 ツッキーは詩織の持病の事を赤葦と木兎の二人に話す。 二人もとても驚いた顔をするが、赤葦はすぐに状況整理をした。 まぁさすが頭いいよなぁ。 「これで謎が解けました。なんで選手じゃないんだろうってずっと思ってたので。」 「本人が一番悔しい筈なんですけどね。」 「でもでも今日普通に試合したじゃんな!?」 「1セット程度なら問題ないんです。ただ、気温の変化にはめっぽう弱いです。 僕は宮城に居て逐一詩織の体調は把握できません。 季節の変わり目は、特に気を付けてやってください。」 「大丈夫だよ月島。こう見えても黒尾さんは詩織ちゃんにベタ惚れしてるから。」 「赤葦コノヤロウ!!!!wwww」 自主練も終わり、俺は研磨が寝ている別の部屋に顔を出しに行くことにした。 ← → back 175/92 |