試合はそのまま俺達音駒が勝った。 正直、詩織に勝たせてもらった、といわざるを得ない内容でもあったが。 本当に病気の事がなければ、木兎、ないしは佐久早や牛若みたいな全国区プレイヤーになっていただろうに。 なによりも、あいつはバレーが大好きだから。 「みなさんお疲れ様でした!確り汗拭いてドリンク補充してください!」 「詩織、今はいいからお前も休め。」 「黒尾さん…いえ、これが私の仕事『はいきゅうけーい!!』 夜久やリエーフが詩織を無理やり椅子へと座らせる。 くぅぅ…俺がやろうと思ったのに!!! 「いつも詩織ちゃんいってるじゃん。休憩は確り取る事!ってな!」 「夜久さん……。」 「そうそう!今の詩織ちゃんは俺達と同じ選手だよ。」 「海さん……。」 そう皆に言われれば大人しくする詩織。 俺は苦笑しながらそんな様子を見ていると。 「黒尾さん。」 「ん?おーツッキー!」 ちょっと、と俺はツッキーに人気の少ない場所へと呼び出された。 ← → back 175/90 |